経済産業省は2025年度から電気自動車(EV)用充電器の設置を促進するため、補助金制度を大幅に拡充する方針を固めた。集合住宅や高速道路のサービスエリア(SA)など、設置が進んでいない場所を重点的に支援し、2030年までに全国で30万基の充電器設置を目標とする。
補助率の引き上げと対象拡大
現行の補助金は設置費用の最大3分の1だが、2025年度からは最大で半額に引き上げる。特に、マンションなどの集合住宅や高速道路SAでの設置に対しては、さらに優遇した補助率を適用する。また、これまで補助対象外だった急速充電器の維持管理費も新たに補助対象に加える。
経済産業省の担当者は「EV普及の最大の障壁は充電インフラの不足だ。特に集合住宅に住むユーザーが自宅で充電できない問題を解決したい」と述べている。
2030年までに30万基へ
政府は2022年に策定した「充電インフラ整備計画」で、2030年までに公共用充電器を30万基設置する目標を掲げている。しかし、2024年時点での設置数は約4万基にとどまっており、目標達成には大幅なペースアップが必要だ。
今回の補助金拡充により、2025年度中に新たに約5万基の設置を見込む。特に高速道路SAでは、現在約1,500基の急速充電器を2030年までに約3倍の4,500基に増やす計画だ。
民間企業の参入促進
政府は補助金に加え、充電器設置に関する規制緩和も進める。例えば、高速道路SAでの充電器設置に必要な手続きを簡素化し、民間事業者の参入を促す。また、集合住宅への設置を促進するため、管理組合向けのガイドラインを策定する。
EV充電インフラの整備は、自動車産業の電動化戦略の鍵を握る。日本自動車工業会の試算によると、充電器の設置が現在のペースで進んだ場合、2030年のEV販売台数は目標の80万台に対し、約50万台にとどまる可能性があるという。
海外との比較
欧州連合(EU)は2025年までに主要道路沿いに60キロメートルごとに急速充電器を設置する目標を掲げ、中国も2025年末までに公共用充電器を約500万基にする計画だ。日本はこれらの国に比べ、充電インフラの整備が遅れているとの指摘がある。
経済産業省は「今回の補助金拡充で、海外との差を縮めたい」としている。補助金の具体な申請方法や受付開始時期は、2025年度の予算成立後に公表される予定だ。



