ホンダと日産自動車が、電気自動車(EV)やソフトウェア分野での提携に向けた協議を開始することが、複数の関係筋への取材で明らかになった。両社は、急速に進む電動化や自動運転技術の開発競争に対応するため、資本提携を含む経営統合も視野に入れた包括的な協業を模索している。
提携の背景と狙い
世界的なEVシフトの加速に伴い、自動車メーカー各社は巨額の研究開発投資を迫られている。ホンダと日産は、単独では開発負担が大きいEVプラットフォームやバッテリー、車載ソフトウェアの共通化により、コスト削減と開発期間の短縮を目指す。特に、ソフトウェア定義車両(SDV)の分野では、OTA(無線通信)更新や自動運転技術の高度化が競争力の鍵となっており、両社の協業は重要度を増している。
ホンダはすでに米ゼネラル・モーターズ(GM)とのEV提携を進めているが、日産との連携も並行して検討する。日産は仏ルノーとのアライアンスがあるものの、経営の自由度を高めるため、新たなパートナーシップを模索してきた。
経営統合の可能性
関係筋によると、協議は最初から経営統合を前提としたものではなく、まずは特定プロジェクトでの協業から始め、その成果次第で資本関係の強化や統合に発展する可能性がある。両社の経営陣は、自動車業界の変革期において、規模の拡大による競争力強化が不可欠との認識で一致しているという。
仮に経営統合が実現すれば、国内自動車メーカーではトヨタ自動車に次ぐ巨大グループが誕生することになる。ホンダと日産の2023年度の世界販売台数はそれぞれ約400万台、約340万台で、合計すると約740万台に達する。
業界への影響
専門家は、両社の提携が国内自動車業界の再編を加速させる可能性を指摘する。特に、EVやソフトウェア分野では、海外の新興メーカーやIT企業との競争が激化しており、生き残りをかけた協業は不可避との見方が強い。
一方で、両社の企業文化や技術の違いが障壁となるリスクも指摘されている。ホンダは独自のエンジン技術や二輪車事業に強みを持つのに対し、日産はEVの先駆者としての実績がある。両者の強みをどう融合させるかが、協業成功の鍵を握る。



