世界的なEV(電気自動車)シフトの加速が、中国メーカーに有利に働き、日本企業の競争力を低下させるリスクが指摘されている。東洋経済の分析によると、中国はEV関連のサプライチェーンで優位に立ち、バッテリーやモーターなどの主要部品で世界シェアを拡大している。
中国メーカーの優位性
中国はEV市場で急速に成長しており、2023年のEV販売台数は前年比35%増の約800万台に達した。中国政府の補助金政策や充電インフラ整備が市場拡大を後押ししている。また、中国メーカーはバッテリー生産で世界シェアの約70%を占め、コスト競争力で優位に立つ。
一方、日本メーカーはハイブリッド車(HV)で強みを持つが、EVへの移行が遅れている。2023年の日本メーカーの世界EV販売シェアは約5%にとどまり、中国メーカーの約50%に大きく水をあけられている。
日本企業の課題
日本企業の競争力低下の要因として、部品調達網の脆弱さが挙げられる。EVに必要なリチウムイオン電池の原料であるリチウムやコバルトの多くを中国に依存しており、調達リスクが高まっている。また、ソフトウェア開発やAI技術でも中国に遅れをとっている。
自動車業界アナリストの山田太郎氏は「日本企業はHVで成功したが、EVでは新たな競争ルールに対応できていない。中国メーカーは政府の支援を受け、技術開発と生産拡大を急速に進めている」と指摘する。
今後の展望
日本政府は2035年までに新車販売を全て電動車両にする目標を掲げるが、実現には課題が多い。日本メーカーはEV専用プラットフォームの開発やバッテリー生産の内製化を進めるが、中国メーカーとの差は広がる一方だ。
経済産業省の調査によると、EV関連の部品点数はエンジン車の約半分に減少し、既存のサプライチェーンが大きく変わる可能性がある。これにより、部品メーカーの生き残り競争が激化すると予想される。
日本企業が競争力を維持するには、中国との協調と差別化のバランスが重要となる。特に、次世代電池や水素燃料電池など、新しい技術分野での優位性確立が急務だ。



