2025年、世界の電気自動車(EV)市場は大きな転換点を迎えると見られる。中国メーカーが販売台数でリードを広げ、欧州市場でも存在感を増している。日本勢は遅れを取り戻すべく、新モデル投入や生産体制の強化を急ぐ。
中国メーカーが世界市場を席巻
調査会社のデータによると、2024年の世界EV販売台数は前年比約30%増の1700万台超。このうち中国メーカーのシェアは約60%に達した。特にBYDは、2024年に約300万台を販売し、テスラの約180万台を大きく引き離した。BYDは低価格帯から高級車まで幅広いラインアップを強みに、アジアや南米でも販売を拡大している。
欧州では、中国製EVの輸入が急増。2024年の欧州EV販売の約20%を中国ブランドが占め、2025年には25%に達する見通しだ。欧州連合(EU)は中国EVへの追加関税を検討しているが、価格競争力の前には効果は限定的との見方もある。
テスラは苦戦、日本勢は巻き返しへ
テスラは2024年、販売台数でBYDに抜かれただけでなく、利益率でも苦戦。マスクCEOは「2025年は低価格モデルの投入で巻き返す」と述べるが、中国市場での競争激化や需要減速が懸念される。
一方、日本メーカーはEVシフトで出遅れた。トヨタは2026年に次世代EVを投入予定だが、2025年は新型「bZ4X」の改良版や、日産は「アリア」の派生モデルで巻き返しを図る。ホンダもGMとの協業で北米向けEVを強化する。しかし、中国や欧州でのシェア拡大には時間がかかるとみられる。
業界アナリストは「2025年は中国メーカーが世界標準を決める年になる」と指摘。日本勢にとっては、電池調達やソフトウェア開発での協業が鍵を握る。
電池調達とサプライチェーンが鍵
EVの競争力を左右するのが電池だ。中国のCATLやBYDは世界の電池生産の約70%を占め、低コストを実現。日本勢は、パナソニックやGSユアサとの連携を強化するが、価格差は依然大きい。
また、レアメタル調達のリスクも課題。中国はリチウムやコバルトの精製工程で支配的な立場にあり、日本は供給源の多様化を急いでいる。
2025年、EV市場の主役は中国メーカーか、それともテスラや日本勢が巻き返すのか。市場の行方は、各国の政策や資源確保の動きにも左右される。



