EV販売鈍化でバッテリー業界再編、中国勢が主導権握る
EV販売鈍化でバッテリー業界再編、中国勢が主導権

電気自動車(EV)の販売が世界的に鈍化する中、バッテリー業界で再編の動きが加速している。中国の寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)が市場シェアを拡大し、日本企業は競争に苦戦している。調査会社のデータによると、2024年の世界バッテリー出荷量は前年比26%増の1,200ギガワット時(GWh)に達する見通しだが、供給過剰と価格競争により、各社の利益率は低下している。

中国勢の躍進と日本勢の苦戦

CATLは2023年、世界市場で36%のシェアを獲得し、2位のBYD(16%)を大きく引き離した。一方、日本のパナソニックホールディングスはシェア5%で4位に後退。韓国のLGエナジーソリューションもシェアを落とし、中国勢の台頭が鮮明になっている。CATLは低コストのリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池で攻勢をかけ、テスラやBMWなどの主要顧客を獲得している。

需要減速と在庫調整

EV販売の伸びは2023年の前年比35%増から、2024年は20%程度に減速すると見られる。特に欧州では補助金削減や充電インフラ不足が響き、需要が伸び悩んでいる。バッテリー業界では在庫調整が進み、一部メーカーは生産能力の拡大計画を見直している。業界関係者は「2025年までに市場は供給過剰となり、中小メーカーの淘汰が進む」と指摘する。

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技術革新と新たな競争

こうした中、全固体電池やナトリウムイオン電池などの次世代技術への投資が活発化している。トヨタ自動車は全固体電池の量産を2027年までに開始する計画で、日産自動車も追従する。しかし、中国勢も研究開発を加速しており、特許出願数では中国企業が世界の半数以上を占める。専門家は「技術面でも中国が優位に立つ可能性がある」と警告する。

バッテリー業界の再編は、自動車メーカーの調達戦略にも影響を与える。多くの自動車メーカーは複数のバッテリーサプライヤーとの契約を進め、リスク分散を図っている。一方で、CATLやBYDのような巨大サプライヤーへの依存度が高まるリスクも指摘されている。

今後の展望

2025年以降、世界のバッテリー市場は年間1,500GWhを超えると予測されるが、競争環境はさらに厳しさを増す。日本勢は技術力で差別化を図る必要があり、政府の支援も不可欠だ。経済産業省は蓄電池産業戦略を策定し、国内生産能力を2030年までに150GWhに引き上げる目標を掲げている。しかし、コスト競争で中国に追いつくのは容易ではない。

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