エヌビディア(NVIDIA)の最高経営責任者(CEO)であるジェンスン・フアン氏は9月10日、ゴールドマン・サックス主催のカンファレンスで、人工知能(AI)の脅威を巡る議論の高まりについて「サイバーセキュリティ業界が新製品投入に向けて需要を作り出しているに過ぎない」との見方を示した。
「問題を作り出すことほど需要を生む良い方法はない」
フアン氏は「問題を作り出すことほど需要を生む良い方法はない。誰だって自社の製品に市場が熱狂し、行列ができることを望むものだ」と発言したという。AIが人類を破滅させるとの主張は「ナンセンス」と切り捨てた。
この発言は、7月にアクシオス(Axios)がフアン氏に行ったインタビューでの「AIが人類の終焉をもたらす、あるいは米国の雇用の半分を破壊するという主張は完全なナンセンスだ」という発言と同じ立場をとるものだ。
アンソロピック研究者の退職表明が火種に
背景には、AI企業アンソロピック(Anthropic)の研究者ジェイコブ・コクソン氏が先に突然退職を表明したことがある。同氏は「AIを開発している人々は、今後10年以内にそれが人類を滅ぼしかねないと本気で信じている。これはマーケティングの演出ではない」とX(旧ツイッター)に投稿し、議論に火を付けた。
ミシガン大学のエリック・ゴードン教授は、フアン氏の発言について「自社の利益を語っているのは間違いないが、単なる自己都合とみるのは正確ではない。彼は本心からのテクノ楽観主義者だと思う」と評価しつつ、「彼の語り口は、恐怖に根差した語り口に押され気味だ」と指摘する。
市場拡大と自社利益の一致も指摘
フアン氏は、AIが雇用市場や世界を破壊せず、エヌビディア自身の循環投資によるバブルでもないとの立場を貫いている。市場拡大が半導体販売増につながる同氏の利害関係も指摘されている。アクシオスが9月10日付で報じた。



