EU、中国製EVに最大45%の追加関税へ 域内産業保護を強化
EU、中国製EVに最大45%追加関税へ

欧州連合(EU)は中国製電気自動車(EV)に対して、最大45%の追加関税を課す方針を固めた。EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長が9月13日の一般教書演説で、中国からのEV輸入に対する反補助金調査を開始すると発表したことに端を発する。この調査は、中国政府が自国のEV産業に対して不当な補助金を供与しているかどうかを検証するもので、調査結果に基づき追加関税が発動される。

追加関税の詳細と影響

EUは既に中国製EVに対して10%の関税を課しているが、今回の追加関税により最大55%まで引き上げられる可能性がある。EU域内での中国製EVの市場シェアは2022年の3%から2023年には8%に拡大しており、2030年には20%に達する見込みとされる。EUの試算では、中国製EVの価格はEU製より約20%安く、この価格差が市場シェア拡大の主因となっている。追加関税により、中国製EVの価格競争力は大幅に低下し、EU域内の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンやステランティスなどが恩恵を受けると見られる。

一方、中国のEVメーカーであるBYDや上海汽車(SAIC)などは、EU市場での販売に打撃を受ける。特にBYDは欧州市場への積極的な展開を進めており、ハンガリーに工場を建設中だが、追加関税によって事業計画の見直しを迫られる可能性がある。EUの欧州委員会は「中国の補助金がEUの自動車産業に深刻な損害を与えている」と指摘し、中国側は「保護主義的な措置であり、世界貿易機関(WTO)のルールに違反する」と反発している。

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各国の反応と今後の見通し

EU加盟国内でも意見が分かれている。フランスは中国製EVに対する関税引き上げを支持する一方、ドイツは中国との貿易摩擦を懸念し、慎重な姿勢を示している。ドイツ自動車工業会(VDA)は「関税引き上げは報復を招き、EUの自動車輸出にも悪影響を及ぼす」と警告している。中国はEU産ブランデーや豚肉などに対する報復関税を検討していると報じられており、貿易戦争に発展するリスクがある。

EUの調査は最大13カ月かかる見込みで、その間に関税は暫定的に発動される可能性がある。最終的な関税率は調査結果に基づき決定されるが、EUは中国との交渉による解決も模索している。フォン・デア・ライエン委員長は「中国と対話する用意がある」と述べており、今後の動向が注目される。

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