総務省は2024年度からの新たな5G基地局整備計画を発表し、2025年度までに全国の人口カバー率を90%に引き上げる目標を掲げた。これまで都市部を中心に整備が進んできた5Gだが、地方での格差解消が急務となっている。
地方整備に重点、補助金拡大へ
新計画では、地方自治体と連携した基地局設置の促進や、光ファイバーとの一体的な整備が盛り込まれた。総務省は2024年度予算案で、5G基地局整備に関する補助金を前年度比20%増の500億円に拡大。特に人口密度の低い地域では、事業者単独では採算が取りにくいため、公的支援が不可欠とされている。
現在の5G人口カバー率は約70%で、都市部ではほぼ100%に達している一方、郡部では30%未満の地域もある。総務省の担当者は「地方でのデジタル格差是正は喫緊の課題。2025年度までに全国どこでも5Gを利用できる環境を整えたい」と述べている。
周波数割り当ての見直しも
計画には、現在4社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)に割り当てられている5G用周波数の再編も含まれる。特に、高速通信に適した28GHz帯の活用促進が課題で、総務省は2024年夏にも新たな割り当て基準を公表する予定だ。
また、基地局整備のコスト削減に向けて、複数事業者による設備共有(ローミング)の拡大も検討される。KDDIとソフトバンクはすでに一部地域で共同整備を進めており、総務省はこうした取り組みを全国に広げる方針。
経済効果と課題
5G整備の加速は、自動運転や遠隔医療、スマート農業など新たな産業創出につながると期待される。一方で、基地局設置に伴う住民の健康不安や景観問題への対応も求められる。総務省は「科学的根拠に基づいた情報提供を徹底する」としている。
専門家からは「目標達成には、事業者間の連携強化と自治体の積極的な関与が鍵。特に過疎地では、基地局と同時に光回線の整備も進めるべきだ」との指摘がある。



