EVシフト加速、中国製電池が世界市場を席巻
EVシフト加速、中国製電池が世界市場を席巻

電気自動車(EV)の世界的な普及に伴い、中国製電池の存在感が急速に高まっている。2024年上半期の世界のEV用電池市場では、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)の2社で約50%のシェアを占め、日本勢は苦戦を強いられている。

中国勢が市場を席巻する背景

調査会社SNEリサーチによると、2024年1月から6月までの世界のEV用電池搭載量は前年同期比22%増の約364GWhに達した。このうちCATLは37.8%のシェアで首位を維持し、BYDは16.2%で2位に浮上。両社で全体の半分以上を占める。韓国のLGエナジーソリューションが13.9%で3位、パナソニックホールディングスは4.4%で4位に後退した。

日本勢の競争力低下

日本勢はかつてリチウムイオン電池市場で世界をリードしていたが、EVシフトで中国勢に追い抜かれた。パナソニックはテスラ向けに強みを持つが、生産コストで中国勢に劣る。また、日本企業はリン酸鉄リチウム(LFP)電池の量産で遅れを取っている。LFP電池はコバルトを使わず低コストで安全性が高く、中国勢が得意とする分野だ。

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脱炭素と資源確保の課題

中国はEV電池の生産だけでなく、リチウムやコバルトなどの重要鉱物の精製でも支配的な地位を築いている。脱炭素目標の達成には電池の安定供給が不可欠であり、各国は中国依存からの脱却を模索。米国はインフレ抑制法(IRA)で北米生産の電池に補助金を付与し、欧州も域内生産を促進する政策を打ち出している。

日本政府も「蓄電池産業戦略」を策定し、国内電池生産能力を2030年までに150GWhに拡大する目標を掲げる。しかし、コスト競争や技術革新のスピードで中国に追いつくのは容易ではない。

今後の展望

EV市場の成長は鈍化しつつあるが、中長期的には需要拡大が見込まれる。中国勢は低価格帯のEV向けにLFP電池を供給し、さらに全固体電池の開発でも先行する可能性がある。日本勢は差別化技術や品質で巻き返しを図るが、市場の主導権を握るには戦略的な投資と国際協力が欠かせない。

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