電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の世界市場で、中国のCATL(寧徳時代新能源科技)がシェアを拡大し続けている。2023年の世界シェアは約37%に達し、2位の中国BYD(17%)を大きく引き離した。一方、日本のパナソニックはシェアが約8%に低下し、日本勢全体として苦戦が続いている。
CATLのシェア拡大の背景
CATLは、中国市場でのEV販売急増を追い風に、2023年の出荷量が前年比で約40%増加した。同社は、テスラやBMW、フォルクスワーゲンなど主要自動車メーカーに電池を供給しており、生産能力の増強も積極的に進めている。2023年にはドイツに工場を稼働させ、欧州市場でのプレゼンスも高めている。
また、CATLはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池でコスト競争力を持つ。LFP電池はエネルギー密度が低いものの、安全性と低コストが強みで、普及価格帯のEVに採用が広がっている。同社のLFP電池の生産コストは、韓国や日本の競合に比べて2~3割安いとされる。
日本勢の苦戦
日本のパナソニックは、2023年の世界シェアが約8%と、2020年の約20%から大幅に低下した。同社はテスラへの供給に依存しており、テスラがCATLや韓国LGエナジーソリューションからの調達を増やした影響を受けた。また、パナソニックはLFP電池への対応が遅れ、高価格帯の三元系電池に特化している。
日本勢全体では、2023年のシェアは約10%と、2020年の約25%から半減した。日本の電池メーカーは、中国や韓国の競合に比べて設備投資が遅れ、生産コストも高い。さらに、日本政府は2023年に電池産業の強化策を打ち出したが、効果が現れるのは数年先とみられる。
今後の展望
CATLは、2024年もシェア拡大を続ける見通しだ。同社は、2024年にハンガリーに新工場を建設し、欧州での生産能力を倍増させる計画を発表している。また、全固体電池の開発も進めており、2026年以降の量産を目指す。
一方、日本勢は巻き返しを図るため、パナソニックが2024年に米国カンザス州で新工場を稼働させるほか、トヨタ自動車と共同で全固体電池の開発を加速している。しかし、市場アナリストは「日本勢がトップシェアを取り戻すのは難しい」と指摘する。韓国メーカーも、LGエナジーソリューションが2023年に世界シェア約15%と健闘しており、競争は激化している。
世界のEV用電池市場は、2023年に約1200億ドル規模に達した。2025年には2000億ドルを超えると予想され、市場の拡大に伴い、中国と韓国勢の優位が続くとみられる。



