台湾で13日、中国による攻撃を想定した訓練が行われ、住民らが屋内への避難を命じられたほか、モバイル通信の速度が30分間にわたって抑制された。この訓練は、人口2300万人の台湾が中国による侵攻を想定して毎年実施している軍事演習「漢光」の一環として行われた。
訓練の概要と住民の対応
午後2時30分(日本時間午後3時30分)、首都台北全域にけたたましいサイレンが鳴り響き、年に一度の防空訓練として人々は地下駐車場や地下鉄駅、ショッピングモール、オフィスビルへと避難した。警官が車を停止させ、人々を避難所へ案内した。普段は混雑する街頭は不気味なほど静まり返った。
初の通信制限訓練
今年の訓練では、通信インフラに対する中国の攻撃を想定し、モバイル通信速度を制限する試みが初めて取り入れられた。これにより、メッセージングアプリ、ビデオ通話、ライブ配信、フードデリバリーサービスなどへのアクセスが一時的に制限された。
地下道に避難した大学院生のアシュリー・ホウさん(23)はAFPに対し、「連絡が取れなくなると、周りの人が自分のことを心配するでしょうし、自分も周りの人が心配になる」と語り、「実際に(緊急事態が)起きた場合、どう対応すべきかを考えさせられる」と続けた。
訓練への理解と課題
訓練開始時に会社から連絡があったというジミー・チュウさん(22)は、上司からのメッセージにすぐ返信できなかったと話す。「衝突時に通信障害が発生する可能性が高く、それのシミュレーションだったことはわかっている。面倒なことにはなったが理解はしている」と語った。
その一方で、「非常に安全な環境で暮らしてきた」台湾人の意識を高めるため、こうした訓練は「3~6か月ごとに実施すべきだ」との声も聞かれた。
訓練に先立ち、軍事分析サイト「PLATracker」のベン・ルイス氏はAFPに「完全な通信遮断を反映するものになるとは思わないが、通信障害がどのようなものかを実際に体験することは重要だと思う」と語った。「また、民間人の通信やインターネットシステムの強靭性(レジリエンス)を検証することも非常に重要」と指摘した。
「漢光」は10日間の予定で行われており、14日に終了する。



