核酸合成悪用のバイオテロ防止、内閣府が企業向けルール作り着手へ
核酸合成悪用のバイオテロ防止、内閣府がルール作り着手

内閣府は、生物の遺伝情報を伝えるDNAやRNAの配列を人工的に合成する「核酸合成」を悪用したバイオテロを防ぐため、合成を行う企業を対象にしたルール作りに着手する。13日に行われた有識者会議で、来年初頭をめどに取りまとめる方針を示した。

核酸合成の現状と技術進展

核酸合成は、医薬品の製造や遺伝子関連研究に活用されている。製薬企業などが指定した配列に基づいて専門企業が受託し、核酸合成を手がけている。

近年は、人工知能(AI)による配列の設計やロボットを活用した自動実験などの技術が急速に発展。こうした技術の進展で、目的に応じた核酸合成が効率良く行えるようになりつつあるが、悪用されれば、人や動植物に危害を加えるウイルスや毒素などの合成も可能になる。

新たなルールと国際的な動き

そこで内閣府は、核酸合成を受注する企業に対して、合成する配列に危険がないかを確認するように求めるなど、新たなルール作りに着手することにした。

AIを使った医薬品開発を巡っては、米AI開発企業アンソロピックが今秋、自社のAIモデルを使って研究する生物学研究所を設立したことを明らかにするなど、注目度が高まっている。悪用リスクに対する懸念も高まっており、内閣府によれば、米国や英国ではすでに受託企業向けの指針が策定され、法制化を模索する動きもある。

国内生産基盤の強化

このほか内閣府は、バイオ医薬品を手がける国内製薬大手の多くが、中国企業に研究開発の一部を委託し、大量の実験データが流出していることを問題視。実験機器の自動化を推進するなど、国内生産基盤を強化する方策も検討する。