大規模なコンサートやドームイベントでは、数万人の来場者を短時間で安全に会場へ誘導する必要がある。入場ゲートでの本人確認とそのスピードが最大のボトルネックとなる中、顔認証システムの活用が広がっている。
不正転売と安全面の課題
エンタメ業界では長年、チケットの不正転売問題が深刻な課題となっている。2019年に不正転売禁止法が施行され法的規制が敷かれたものの、運用には大きなギャップが残されたまま。また、マラソン大会では登録者と参加者が異なる「交代出走」も問題視されている。走行中に参加者が倒れた場合、登録者情報と本人が一致しなければ救護や家族への連絡が遅れる可能性がある。本人確認は安全管理やイベント運営全体に関わるテーマだ。
0.3秒の顔認証技術
こうした課題に直面する多くのイベント主催者から高い信頼を得ているのが、ロココの顔認証ソリューション「AUTH thru」(オースルー)だ。事前に顔写真を登録した来場者が端末の前を通り過ぎるだけで本人確認が完了する。認証スピードはわずか0.3秒(iPad Pro第5世代で測定)。目や口などの特徴を捉える「特徴点認証」を採用し、認証精度は99.67%を誇る(認証精度は環境などの諸条件に影響される)。来場者はスマートフォンや紙のチケットを提示して立ち止まる必要がなく、手ぶらで顔を端末にかざしてゲートを通過するだけ。この優れたユーザー体験に加え、複雑な状況に応じて入場レーンを容易に増設できる柔軟性もリピート利用される理由だ。
現場のサポート体制
ロココのエンジニアが全てのイベント会場に入り、トラブル対応や現地支援を担当。特に屋外の会場では逆光が大きな課題となる。強い光の差し込みは顔認証システムの判定精度を低下させる恐れがあるが、ロココではシステム面と運用面の両方から改善を続けている。システム面では特定のレーンだけ認証のしきい値をコントロールするなどの修正を実施。同時に、状況を確認しながらレーンの向きや角度を調整したり、場所に制約がある場合は別のレーンに誘導したりと、物理的な調整や現場の運用でカバーしている。
エンタメ業界ならではのこだわり
ロココのスタッフはSNSのコメントなどをリアルタイムでチェック。「待ち列が長くなっている」「認証画面が後ろの人に見えてしまっている」といった来場者の声を拾い上げ、主催者と相談してタブレットの配置を変えたり本人確認を前倒ししたりといった改善を迅速に反映させている。
ビジネス分野への展開も
多数のイベント会場で実証されたAUTH thruの安定性と柔軟性は、展示会やカンファレンス、セミナー、オフィスの入退館管理といったビジネス分野の受け付け業務においても高い価値を発揮すると見込まれる。目的によって本人確認に求められる厳格さは異なるが、「スムーズな入場を提供したい」という主催者の思いは共通している。



