欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、米グーグルに対し、デジタル市場法(DMA)に基づく追加の情報提供を求めた。同委員会は、グーグルが自社の広告や検索サービスにおいて、競合他社よりも自社のサービスを優遇している可能性があるとみて、調査を進めている。
DMAに基づく調査の背景
DMAは、巨大テック企業(ゲートキーパー)による反競争的な行為を規制するために2022年に成立した法律で、2023年5月から適用されている。グーグルは、検索エンジンや広告サービスなどで「ゲートキーパー」に指定されており、DMAの遵守が義務付けられている。
欧州委員会は、グーグルが検索結果で自社のショッピング、旅行、金融サービスを優遇し、競合他社のサービスを不当に低く表示している可能性があると指摘。また、広告サービスにおいて、自社のデータを利用して競合他社の広告を不利に扱っている疑いもある。
追加調査の内容と今後の見通し
欧州委員会は、グーグルに対し、これらの疑惑に関する詳細なデータや文書の提出を求める正式な情報提供命令を出した。グーグルは、命令に従わない場合、制裁金を科される可能性がある。違反が確認された場合、EUはグーグルの全世界での年間売上高の最大10%に相当する制裁金を科すことができる。
グーグルは、「EUの規制を真摯に受け止め、DMAに完全に準拠するよう努めている」とコメントしている。
過去のEUのグーグルに対する制裁
EUは過去にも、グーグルに対して巨額の制裁金を科している。2018年には、アンドロイド端末における競争法違反で43億4000万ユーロ(約6800億円)の制裁金を科した。また、2017年にはショッピング検索での優遇措置で24億2000万ユーロ、2019年には広告契約での排他的行為で14億9000万ユーロの制裁金を科している。
DMAの影響と今後の規制
DMAは、グーグルだけでなく、アップル、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、マイクロソフト、バイトダンス(TikTok)なども対象としている。EUは、これらの企業が自社のサービスを優遇したり、データを不当に利用したりすることを防ぐため、厳しい規制を導入している。
今回の調査は、DMAの執行が本格化していることを示すものであり、他のテック企業にも影響を与える可能性がある。EUは、デジタル市場の公平な競争を確保するために、今後も積極的に規制を強化していく方針だ。



