ハエに縦列駐車やルービックキューブをさせる? グーグル公開の神経回路図でシミュレーションが話題に
ハエに縦列駐車やルービックキューブ? 神経回路図で話題

米グーグルが公開したショウジョウバエの約16万6千個の神経細胞(ニューロン)の完全な配線図を使って、創造力に富んだインターネットユーザーたちが最近、コンピューターでシミュレーションしたハエに驚くような課題をこなさせている。ハエの脳はケシの実ほどの大きさしかない。

ハエが縦列駐車やルービックキューブに挑戦

あるハエは、六面立体パズル(ルービックキューブ)を解けるよう訓練された。別のハエは、四つの音を聞き分け、ビレッジ・ピープルの曲「Y.M.C.A.」に合わせて踊る。このほか、トランプのポーカーやブラックジャックをさせたり、ドネルケバブをそぎ落とさせたりする構想も生まれている。

たいていの場合、こうした技術者らの狙いは、ハエに何ができるかを示すことにあるわけではない。ソフトウェア開発者のマーク・アンタンク氏は「どれだけばかばかしいことをやらせられるか」を試しているのだと話す。彼は何百回もの失敗を重ねた末、ハエに車を縦列駐車させることに成功した。

イタリアに住むアンタンク氏は、ハエが車で曲がる際にウィンカーを出すようにもプログラムした。人間の運転手の多くがウィンカーを使わないことに、いら立っていたからだ。

「こんなに簡単なことなのに。ハエにだってできるんだから」

神経科学の研究成果が生んだシミュレーション

一方、ハエの脳神経の接続を図に示す作業は、決して簡単ではなかった。それは、神経科学の研究を前進させるための真剣な取り組みだった。

研究者たちは長年、様々な生物の神経系がどのように接続しているかを図示するための高度な画像解析技術の開発に取り組んできた。ショウジョウバエに注目する研究者がいるのは、その神経系が比較的単純だからだ。人間のニューロンが約860億個あるのに対し、ショウジョウバエはわずか16万6千個しかない。

科学者は、こうした神経回路の配線図を「コネクトーム」と呼ぶ。生物の特徴を決める遺伝子を明らかにするゲノム(全遺伝子情報)になぞらえた名称だ。