警察庁は14日、日本の企業を装って個人情報を盗み取る「フィッシングサイト」の作成キットなどを販売していた計34件のドメイン(インターネット上の住所)について、米マイクロソフトなどと連携して無効化したと発表した。国内では5月以降、キットで作成された偽サイトに誘導する計約1億通のメールが確認されたという。
2種類のキットが半数近くを占める
同庁サイバー特別捜査部が昨年1年間に把握した約12万件の国内企業を装うフィッシングサイトを分析した結果、半数近くが「コグイ」「アイアンマン」の名称で販売された2種類のキットで作成されたことが判明した。
このうちアイアンマンには、日本の金融、医療機関を含む少なくとも約2300企業の偽サイトの作成に使う「ひな型」が組み込まれていた。
民事訴訟とドメイン無効化の流れ
マイクロソフトは今月6日、同部などの情報を基に米国の裁判所に民事訴訟を起こした。同8日に裁判所の命令が出され、ドメインの無効化措置が取られた。同庁の情報に基づく無効化措置は初という。
キットの販売には中国系の犯罪組織が関与しているとみられ、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」などで、マイクロソフトのクラウドサービスのアカウントとセット販売されるなどしていた。
被害の拡大と対策
国内で今年上半期(1~6月)に報告されたフィッシングの被害件数は約73万1000件に上った。警察庁はメール内のリンクを安易にクリックしないことや、指紋や顔などの生体情報を活用した認証の仕組み「パスキー」の導入などが有効だとしている。