レバテックIT転職フェア第2回開催、約700名のエンジニアが参加しAI時代のキャリアを考える
レバテックIT転職フェア第2回、約700名が参加しAI時代のキャリア考える

レバテックは、「日本を、IT先進国に。」をビジョンに掲げるIT人材の求人・採用支援企業です。深刻なIT人材不足に伴う企業の採用ニーズと、企業の生の声を聞きたいエンジニアの対面ニーズの高まりを背景に、昨年11月22日に第1回目の「レバテックIT転職フェア」を開催しました。今回のイベントは、その好評を受けて企画されたものです。

特別講演で生成AI時代のキャリア戦略を解説

会場は、出展企業が会社説明や個別面談を行う企業ブースと、特別講演が行われる特設ステージ、レバテックのキャリアアドバイザーによる個別相談が行われるキャリア相談ブースに分かれており、それぞれ来場したITエンジニアで賑わっていました。

特設ステージでは、IT業界の第一線で活躍するスペシャルゲストによる特別講演が行われました。最初に登壇したのは、Xフォロワー11万人の人気生成AI系インフルエンサーで、株式会社サードスコープ取締役COOを務める伊東和成氏。『生成AI時代のキャリア戦略』をテーマに、IT業界や生成AIの現状に触れながら、エンジニアがどのようなアクションを取るべきか、実践的なキャリア戦略を語りました。

伊東氏は、エンジニアの価値が実装スピードから「仕様を言語化してAIを導く力」に移っていると指摘し、AIに代替されないためには「仕様を書ける人」になることが重要だと説明。全業界的にAI導入支援や社内AI推進の人材が不足しており、顧客の現場に入って課題発見から実装・定着までやり切るエンジニア「FDE(Forward Deployed Engineer)」というポジションが新しく生まれ、ニーズも高まっていると説きました。

評価されるエンジニアの条件とは

こうした状況で評価されるエンジニアの条件として、実際にAIを開発フローに組み込んで生産性向上に役立てる「AI前提の生産性」、課題設定や仕様化、設計判断などの「抽象度の高い仕事への移行」、業務知識や経験などとAIの掛け算で希少性を作る「越境力」の3つを挙げ、「AI時代だからこそリアルな情報をいかに掴むかが大切になってきている。(今回の転職フェアに出展した)企業がどうAIを活用しているのか、どこに課題を感じているのかといった一次情報を持ち帰っていただきたい」と結びました。

続いて、AtCoder株式会社代表取締役社長の高橋直大氏が登壇。『生成AI時代を生き抜くエンジニアの条件』をテーマに、採用・開発・研究すべてに関わる立場から、これからのITエンジニアに求められるスキルについて語りました。いずれも会場はほぼ満席の状態で、参加者は登壇者の言葉に頷きながら熱心に耳を傾けていました。

78社が出展し約700名が参加

レバテックによると、今回のイベントにはSIer、コンサルティング企業、事業会社など幅広い業種・規模の企業78社が出展し、約700名のITエンジニアが参加したとのことです。会場内の企業ブースでは、各社による会社説明や個別面談などが行われ、資料を見ながら企業担当者の説明に耳を傾けたり、熱心に質問したりする参加者の姿が見られました。

2025年11月の「レバテックIT転職フェア」に引き続き2回目の参加となるNTT東日本株式会社の担当者は、「弊社は2020年度からITエンジニアの経験者採用を始めています。年間140〜160人ほど採用できるようになってきていますが、認知拡大はまだこれからの段階。IT転職フェアは求職者の方へのアプローチと認知度向上の両方の機会が得られるため、前回に引き続き参加させていただきました。今回の求職者の方は専門性の高い技術者が多く、前回以上に優秀な方とお会いできている印象です。弊社の経験者採用に興味を持っていただき、働きたいという気持ちになっていただけたら嬉しいです」と期待を寄せました。

また、今回初めて参加した一般財団法人GovTech東京の担当者は、「年々、ITエンジニア採用が難しくなってきており非常に困っている状況です。そうしたなかで、候補者の方と1対1でしっかりお話しできるのはとても貴重な機会。(今回のイベントでは)幅広い職種、年齢層の方に関心をお持ちいただき、とても感謝しています。社会貢献的な仕事に興味がある方には、まずはGovTech東京という組織を知っていただけると嬉しいですね。そして、もしご縁をいただけるのであれば一緒に働きましょう」と話してくれました。

キャリア相談ブースも賑わう

このほか会場内に設けられたキャリア相談ブースでは、レバテックのキャリアアドバイザーが転職市場の動向やAI時代に求められるスキル、今後のキャリア形成について、参加者一人ひとりの専門性や志向に合わせたアドバイスを行なっていました。

キャリアアドバイザーのひとり、大峯瑞季氏は参加者の傾向について、「少し前に比べてAIに危機感を持つ方が圧倒的に増えてきています。具体的に転職を考えている方だけでなく、今の環境に満足はしているけれど自分の市場価値を知りたいという転職潜在層の方がブースにお見えになるケースも多いですね。私がお話しさせていただいた方に限ると、前回はどちらかというとジュニアエンジニアの方が多かったのですが、今回はPM(プロジェクトマネージャー)など上位レイヤーの方が増えている印象です」と話しました。

また、“AIによってエンジニアの仕事がなくなるのでは”という心配については、「そのようなことはなく、求人数自体は増え続けている状況。ただ、企業が採用したいと思うレイヤーが、AIを使いこなして業務のために活用できる上流の方に舵を切っているのは伝わってきます」と分析。転職を検討しているエンジニアへのアドバイスとして、「AIに限らず、市場の流れやトレンドの移り変わりが非常に早くなってきています。一方、定年年齢の引き上げも進んでおり、トレンドの変化が早い中で長く働く時代になりつつあります。“自分は何をやりたいのか”とか“どんなことにモチベーションを感じるのか”を、少し立ち止まって振り返る期間を取ってご自身のキャリアについて考えてみるのもよいのでは。今回のIT転職フェアがそのきっかけになると嬉しいですね」と話してくれました。

次回は11月7日に開催

「レバテックIT転職フェア」は今後の開催も予定されており、次回は11月7日にベルサール高田馬場にて行われます。

主催者であるレバテックの代表執行役社長の泉澤匡寛氏は、今回のイベントを開催した背景や趣旨について、「AIの急速な普及や進化によって、職場でAI格差を感じたり、キャリアに不安を抱いたりするエンジニアの方が増えてきています。そうした中で、単なるマッチングイベントではなく、企業とエンジニアが一緒になって“AI時代にキャリアをどう作ってくのか”を考えようというのが今回の開催の趣旨」と説明。

「ここ1年程でIT業界はかなり大きな変化が出ていて、コーディングや実装などの下流工程が大幅に効率化されたという話も。一方、AIが普及したことでDXの需要はかなり拡大しています。“仕事が奪われるのでは”と不安を抱くエンジニアの方もいらっしゃいますが、キャリアやスキルをシフトさせていけば高年収を狙うことも可能。そういった時代の背景もしっかりお伝えしたくて、今回のイベントを開催しました」と語りました。

第1回目は、エンジニアのスキルや経歴を深いところまで事前にヒアリングして企業とマッチングしたことが好評だったそうで、多くの企業が前回に引き続き参加していると言います。今回は、その基本的な方針を引き継ぎつつ、AIへの不安感の高まりに対応するため、AIに絡めた講演や企業のプレゼンを増やす工夫をしているそうです。

「説明会や転職フェアもオンライン開催が主流になってきていますが、その中であえてオフラインで開催したのは、対面でコミュニケーションすることを大切にしているから。どれだけAIが進んでも、人間同士のコミュニケーションにあるノンバーバルな領域には到達できませんよね。だからこそ、人と人とが膝を突き合わせてキャリアのことを考えていくことにこだわっています」と泉澤氏は述べました。

今後のキャリアに不安を抱くエンジニアに対しては、「AI時代でいちばん仕事に大きな影響を受けると言われているのがエンジニア」と認めつつ、「だからこそ、しっかり自分のキャリアを考えて戦略的に設計することが大切。DX市場自体は膨らんでいて需要も拡大しています。実際、有効求人倍率も高まってきており、エンジニアが企業から求められる度合いも大きくなっています。視点を変えれば、仕事内容をよりAIに淘汰されない領域や社会から必要とされる領域にシフトしていくチャンス。今後もイベントなどを通して、ポジティブに“自分のキャリアをどう描いていけばいいのか”をエンジニアの方と一緒に考えていきたいと思っています」と語ってくれました。