事務所に着いたのは、午後一時頃だった。テツと真吉が昼食の用意をしていた。健一ひとり抜けただけでも、手が足りなくてたいへんだろうと日村は思った。
阿岐本、昼食を所望
阿岐本が言った。「昼飯は何だい?」真吉がこたえた。「親子丼を作りました」「おう、そいつはいいな。俺はかしわが好物だ。部屋に運んでくんな」「わかりました」それから阿岐本は、日村に言った。「昼飯が済んだら部屋に来てくれ」「はい」
親子丼の出来栄えと日村の早飯
真吉とテツが作った親子丼はなかなかの出来映えだ。稔が戻ってきて、皆で飯を食った。日村は早飯が習慣になっているので、そそくさと食事を終え、代表室を訪ねた。阿岐本はまだ食事の最中だった。「おい、飯はゆっくり食わねえと体に悪いぞ」「気をつけます」日村は立ったまま、阿岐本が食事を終えるのを待った。真吉を呼んで、阿岐本の丼を片づけさせる。
甘糟を呼ぶ指示
阿岐本が言った。「甘糟さんを呼んでくれ」いよいよ何か手を打つのだろうか。「すぐに連絡します」日村は代表室を出ると、さっそく甘糟に電話した。



