東京大学の研究チームは2026年7月19日、気候変動予測の精度を大幅に向上させる新たな人工知能(AI)モデルを発表した。このモデルは従来の気候モデルと比較して、予測精度を約20%改善することに成功した。研究を主導した東京大学大学院工学系研究科の山田太郎教授は、「このAIモデルは、複雑な気候システムの非線形相互作用をより正確に捉えることができる」と述べている。
新モデルの仕組みと特徴
新たに開発されたAIモデルは、ディープラーニング技術を活用し、過去50年間の気象データと温室効果ガス排出シナリオを学習。従来の物理ベースの気候モデルでは捉えきれなかった微細なパターンを抽出する。特に、海洋と大気の相互作用や雲の形成過程など、不確実性の高い要素の予測に優れているという。
研究チームは、このモデルを用いて2050年までの地域別気温上昇を予測。その結果、北極圏ではこれまでの予測よりも最大0.5度高い気温上昇が見込まれることが明らかになった。また、東南アジア地域では雨季の開始時期が従来の予測よりも2週間早まる可能性が示された。
精度検証と実用化への道筋
研究チームは、過去の気候データを用いた検証実験で、新モデルの予測が実際の観測値と高い一致を示したことを確認。特に、エルニーニョ現象の発生予測において、従来モデルよりも3ヶ月早い段階で正確な予測が可能になったという。
気象庁気候情報課の担当者は、「この技術は、気候変動対策の立案や防災計画の策定に大きく貢献する可能性がある」とコメント。一方で、モデルの汎用性を高めるためには、さらに多くの地域データでの検証が必要だと指摘する。
山田教授は「今後は、このAIモデルを世界中の気象機関が利用できるよう、オープンソース化を進める予定だ」と述べ、国際的な気候予測の精度向上に貢献したいと意欲を示した。



