最近、悩みや不安をAI(人工知能)に相談し、心の支えにしている人が増えています。AIは便利で、つい頼りがちになってしまいますが、メリットとデメリットがあり、専門家は適切な使い方が必要と呼びかけています。
AIの特徴と相談のポイント
AIに詳しい早稲田メンタルクリニック(東京)院長の益田裕介さんは「AIは膨大な情報を持っています。賢く利用するなら、聞きたいポイントを絞り、AIが答えやすい聞き方をするのがコツです」と話します。
例えば、職場での人間関係に嫌な思いをしていることを相談する場合、「相手に意見を言うことのメリットとデメリットは?」という具合に聞きます。適切な質問の仕方が思い浮かばなければ、それをAIに尋ねてみてもよいでしょう。
精神科の手法を日常生活に
精神科では心の負担を軽くするため、「認知行動療法」や「マインドフルネス」などの手法が使われています。益田さんは、AIを使えばこれらを日常生活に取り入れることができると言います。
具体的には、自分の状況や悩み、考えなどをAIに伝え、適した手法を提示してもらいます。その上で、AIに質問を投げかけてもらい、それに答える形で物事に対する考え方などを見つめ直します。
AIだけに頼るのは不適切
一方、益田さんは「心のケアをAIだけに頼るのは適切ではありません」と忠告しています。
人間であれば時に苦言を呈してくれますが、AIは愚痴でも何でも肯定的に返答してくれます。そのため、AIに対して依存傾向が強まったり、人との会話が減って孤立を招いたりするリスクが指摘されています。また、AIが自殺を勧めるなど誤った提案をする恐れもあります。
悩みや不安を軽くするには、自分が抱える問題点に気づいて向き合う作業が必要です。益田さんは「AIの意見はうのみにせず、参考程度にとどめてほしい。心に負担が生じた時は、必ず身近な人や精神科医などの専門家に相談することが大切です」と強調しています。



