NTTドコモは2026年度中に第5世代(5G)移動通信システム向けの基地局を1万局以上整備する方針を明らかにした。人が集まるターミナル駅などに比較的小型の基地局を数多く設置することで、体感品質を改善させる。優先的に5G通信ができる付加価値サービスも検討し、通信収入を向上させる狙いだ。
5G基地局の整備状況と計画
ドコモは今年4~6月期に1500局の5G基地局を構築し、5Gの通信能力が2%向上した。今年度は1万局以上を整備する計画で、坪谷寿一副社長は「来年、再来年と今の数を下回ることはない」と述べ、5G通信網構築のペースを維持する考えを示した。
他社との戦略の違い
他社が4G向けの周波数を転用することで5Gエリアを拡大させたのに対し、ドコモは独自の5G通信網に注力し、つながりやすさで後れを取った。新型コロナウイルス禍では、在宅勤務の浸透に対応し、郊外の大規模な基地局整備に経営資源を集中。コロナ禍後の人流回復による都市部の通信増加に対応する工事人員を確保できなかった。
5Gの電波はビルなどの陰に届きにくく、特に障害物の多い都市部では、小型の基地局をきめ細かく整備することが通信品質に直結する。総務省によると、25年3月末時点では、ドコモの5G基地局が5万2532局に対し、KDDIは11万37局、ソフトバンクが10万4441局と戦略の違いは明らかだった。
優先制御の導入を検討
高速通信を売りにするため、KDDIとソフトバンクは特定の利用者の通信を優先制御するサービスを開始している。ドコモの坪谷氏は「通信サービスには『公平に届けること』と、『特定のスピードを保証すること』の2つのポイントがある」と話し、優先制御の導入を検討していることを明らかにした。



