NTTとNECは、次世代通信規格「Beyond 5G」の実現に向けた光半導体技術の共同開発を発表した。この技術は、従来の電子回路に代わり光を用いることで、消費電力を従来比で約3分の1に削減しつつ、通信速度を10倍以上に向上させる可能性を持つ。
光半導体技術の革新性
共同開発の中心となるのは、シリコンフォトニクス技術を応用した光トランシーバーだ。NTTが持つ高効率な光変調技術と、NECの高速信号処理技術を融合させることで、小型で低消費電力な光通信モジュールの実現を目指す。NTTの研究開発責任者は「Beyond 5Gでは、データセンター間の通信や基地局間の光ファイバー網で、現在の100倍以上の容量が必要になる。この技術はその要求を満たす鍵となる」と述べている。
実用化へのロードマップ
両社は2025年までに試作品を完成させ、2027年以降の商用化を計画。具体的には、まずデータセンター向けの短距離光通信モジュールから市場投入し、その後、長距離通信や5G基地局向けに展開する方針だ。NECの執行役員は「本技術により、Beyond 5Gのインフラコストを現行の5G比で半減できる可能性がある」とコメントしている。
業界への影響と競争環境
この動きは、光通信市場における日本勢の競争力強化につながると期待される。現在、光半導体市場では米国や中国の企業が先行しているが、NTTとNECの連携により、日本が技術面でリードする可能性が出てきた。また、この技術は自動運転や遠隔医療など、低遅延が求められるBeyond 5Gのユースケースにも貢献するとみられる。両社は、政府の「Beyond 5G推進戦略」とも連携し、国際標準化を視野に入れた開発を進める。



