能勢電鉄の「ポンポン」車両、惜別マーク掲げてラストランへ
能勢電鉄の「ポンポン」車両、惜別マーク掲げてラストランへ

兵庫県川西市や大阪府豊能町などを結ぶ能勢電鉄で、今年引退を控えた1700系・1757編成が、記念ヘッドマークを掲げて運行しています。「ポンポン」という独特の音を奏でながら、力強く乗客を運ぶ車両の最後の姿が話題です。

「ポンポン」と音を奏でる理由

走行時に「ポンポン」と音がするのは、床下にブレーキなどを作動させるためのコンプレッサー(空気圧縮機)があるからです。現在は記念ヘッドマークが装着され、別れを惜しむ装いになっています。

能勢電鉄の広岡道也さん(63)は、1700系の運転士などを務めたベテランで、車両と同年代。広岡さんは「車両が走る時間も残りわずか。多くの人に最後の姿を見届けてほしいです」と話します。さらに「まだまだ元気に走る車両。最後の花道を飾ってあげたいです」と、その思いを語っています。

能勢電鉄の歴史と路線

能勢電鉄は、日蓮宗の霊場・能勢妙見山へ向かう参詣客や地場産物の輸送を目的に、1913年(大正2年)に能勢口(65年、川西能勢口駅に改名)~一の鳥居駅間で開業しました。

現在は阪急宝塚線と接続する川西能勢口駅から妙見口駅までの妙見線と、山下駅から日生中央駅までの日生線の2路線があり、長さは計14.8キロです。車窓には住宅地や橋、山間部と様々な風景が広がります。

平野駅の北側には清涼飲料水「三ツ矢サイダー」発祥の地があり、鉄道でも輸送されていました。今は工場の跡地に復元された「三ツ矢塔」が残されています。

阪急から譲渡された車両

阪急電鉄の子会社であるため、譲渡された車両が活躍しています。とりわけ年季が入るのは、今年引退を控えた1700系・1757編成です。阪急2000系として神戸線や宝塚線で活躍した車両で、登場から60年になります。

マルーンカラー(えび茶色)をまとう車両たちが、ニュータウンをつなぐ緑豊かな路線を行き交い、「ポンポン」と独特の音を奏でながら、力強く乗客を運んでいます。最後の花道を飾る車両の勇姿は、多くの乗客の記憶に残ることでしょう。