竜王戦1組で菅井竜也八段が三浦弘行九段を撃破、忍耐力と好機を逃さぬ嗅覚が決め手に
2026年4月13日、第39期竜王戦1組の一局で、菅井竜也八段が三浦弘行九段を破りました。菅井は得意の中飛車を採用し、終盤まで粘り強い指し手を続け、対戦成績を5勝1敗に伸ばしました。この勝利は、菅井の忍耐力と好機を逃さない鋭い嗅覚が光る内容でした。
対局開始前の両棋士の心境の違い
対局日の朝、東京・将棋会館の特別対局室では、菅井が早くから下座に着き、険しい表情で盤上を見つめていました。一方、三浦は息を切らし気味に到着し、愛用の魔法瓶やインスタントコーヒーを置いて上座に向かいました。両者は一礼して駒を並べ始めます。
三浦は対局前のインタビューで、竜王戦のランキング戦について語りました。「1回戦と2回戦では、対局に臨む気持ちがかなり違うんです。本局からは上だけを見て指せますので」と述べ、1組では1回戦で敗れると降級のリスクがあるため、緊張感が高まることを説明しました。これに対し、菅井は「そういったことを意識したことはないです」と答え、常に同じ姿勢で臨むことを強調しました。
序盤から中盤にかけての駆け引き
振り駒で菅井の先手番が決まり、午前10時に対局が開始されました。菅井は得意の中飛車を採り、序盤は以下のような手順が展開されました。
- ▲5六歩 … △3四歩
- ▲5八飛 … △4二玉
- ▲4八玉 … △6二銀
中盤に入ると、三浦が△5五歩と打ち、飛車の動きを制限しようとします。これに菅井は意表をつかれましたが、▲6四飛と歩を取る手で対応しました。しかし、▲7五歩△同歩▲6五飛と進んだ局面で、三浦が△7三桂~△6四銀の好手順でペースをつかみます。
終盤の決定的な瞬間
直後の指了図で、三浦に緩手が出てしまい、菅井が好機を逃しませんでした。菅井は忍耐強く指し続け、▲5二飛で体を入れ替えるなど、「ずっと苦しい」状況でも冷静さを保ちました。最終的に、菅井の鋭い嗅覚が勝利をもたらし、対局は菅井の勝ちで幕を閉じました。
この勝利は、菅井にとって重要な意味を持ちます。2015年の第56期王位戦予選決勝で三浦に勝ってリーグ入りしたことをきっかけに、トップ戦線に食い込むようになりました。2017年には王位を獲得し、今回の勝利でさらなる飛躍を期待させる内容でした。
対局後、菅井は「忍耐力が試される一局でしたが、好機を逃さずに指せたことが勝因です」とコメント。一方、三浦は「序盤は良かったのですが、中盤で緩手が出てしまい、挽回できませんでした」と振り返りました。



