元横綱照ノ富士の伊勢ヶ浜親方が弟子に暴力 日本相撲協会が厳重処分
日本相撲協会は4月9日、東京都内で臨時理事会を開催し、元横綱照ノ富士である伊勢ヶ浜親方(34歳)に対する重大な懲戒処分を決定しました。伊勢ヶ浜親方は自身の弟子である幕内力士、伯乃富士関(22歳)に対して暴力を振るったとして、委員待遇年寄から平年寄への降格処分を受けることになりました。さらに、3か月間にわたり報酬を10%減額する制裁も科されます。
酒席での不適切行為が発端 親方が顔面を2度殴打
今回の処分の背景には、今年2月21日未明に都内で発生した一連の出来事があります。酒席の場において、泥酔状態にあった伯乃富士関が後援者の知人女性に対して、太ももを触るなどの不適切な行為を行いました。この行為を知った伊勢ヶ浜親方は、伯乃富士関に対して「酒を飲み過ぎて覚えていないじゃすまないんだぞ」と注意を促しました。しかし、その際に親方は感情的になり、伯乃富士関の顔面を2度にわたって殴打してしまったのです。
協会のコンプライアンス委員会が実施した調査によれば、伊勢ヶ浜親方の行為は「親方としての自覚に欠け、到底許されるものではない」と厳しく指弾されました。一方で、暴力行為に常習性が認められないこと、および親方が自ら協会にこの行為を申告したことが、処分決定に際して考慮された点も明らかになっています。
伯乃富士関も厳重注意 女性の尊厳軽視を問題視
問題の発端となった伯乃富士関の行動についても、日本相撲協会は看過しませんでした。八角理事長(元横綱北勝海)は、伯乃富士関の「女性の尊厳を軽視した行為」を強く問題視し、厳重注意を行いました。相撲界における倫理規範と社会的責任が、改めて問われる事態となりました。
処分決定後、伊勢ヶ浜親方は報道陣の取材に応じ、深く頭を下げながら謝罪の言葉を述べました。「処分を真摯に受け止め、今後、皆さんの信頼を取り戻せるように一生懸命頑張っていきます」と語り、再発防止と信頼回復への決意を示しています。
師匠職は継続 協会と一門の指導監督下に
今回の懲戒処分により伊勢ヶ浜親方は平年寄に降格となりましたが、伊勢ヶ浜部屋の師匠としての職務は当面の間継続することが決まりました。ただし、日本相撲協会および所属する一門の指導と監督下に置かれることになります。これは、部屋の運営と弟子たちへの影響を最小限に抑えつつ、親方自身の更生と指導体制の見直しを図るための措置と見られています。
大相撲界では、力士や親方の不祥事が相次いでおり、社会的な信頼を損なう事案が後を絶ちません。今回の処分は、協会がコンプライアンス(法令順守)と倫理基準の徹底に真剣に取り組んでいることを示す一方で、相撲関係者全体のモラル向上が急務であることを浮き彫りにしました。今後の対応が注目されます。



