甘かった▲9二馬、郷田九段が「敗着」と嘆く…伊藤二冠の寄せに投了
第39期竜王戦1組の一戦で、郷田真隆九段が▲9二馬の一手を「敗着」と悔やみ、伊藤匠二冠の寄せを見届けて投了した。この対局は2026年4月6日に行われ、将棋界の世代交代と伝統的なつながりを浮き彫りにした。
50代棋士の存在感と20代の台頭
今期の竜王戦1組には、16人中8人が30代と半数を占めるが、それに続くのは6人の50代棋士だ。かつてタイトル戦の最前線で活躍した彼らは、勝率こそ低下したものの、最上位クラスを維持する実力を見せつけている。郷田九段もその一人で、3期前には3組まで落ちたが、ノンストップで1組に復帰し、前期も早々に上位を確保していた。
対する伊藤二冠は1組唯一の20代。同学年の藤井聡太竜王とともに、2026年の棋界をけん引することが期待される。両者は干支が午(うま)で、今年は年男にあたる。本局は特別対局室で行われ、午年にふさわしい飾り付けが施されていた。
盤上の攻防と競馬界との深いつながり
対局は郷田の先手で始まり、相掛かりに進んだ。中盤で郷田は▲2四歩を打ち、手損を承知で横歩を取りに行ったが、▲9二馬が甘く、伊藤の寄せを許す形となった。解説の吉池隆真四段は、指了図について「先手も▲2七銀を上がったからには、この端攻めは読み筋と思います」と語っている。
特別対局室には、2000年の日本ダービーを制したアグネスフライト号と、昨年のダービー馬クロワデュノール号の写真が飾られていた。将棋界と競馬界は深いつながりがあり、渡辺明九段をはじめ競馬を趣味とする棋士が多数いる。昨年末には、日本将棋連盟が日本中央競馬会(JRA)から表彰を受けており、写真はその記念として贈られたものだ。
今後の展望と棋界の動向
この対局は、経験豊富な50代棋士と若手の20代が激突する様子を描き出した。郷田九段の敗戦は、世代を超えた戦いの厳しさを物語る一方、伊藤二冠の成長は新時代の幕開けを予感させる。将棋界では、伝統的な競馬との協力関係も続いており、文化としての広がりを見せている。
竜王戦は今後も熱戦が期待され、棋士たちの戦略と精神力が試される舞台となる。ファンは、次なる一手に注目しながら、棋界の未来を見守っていくことだろう。



