藤井聡太竜王の次世代、岩村四段が練習将棋で発見した▲2二歩を披露し快勝
第39期竜王戦6組の一戦で、新四段の岩村凛太朗四段が女流三段の中七海女流三段に勝利を収めた。岩村四段は詰将棋の最高賞である看寿賞を3度受賞した異才で、練習将棋で発見した▲2二歩を披露し、安定感ある中女流三段を破った。この対局は昨年12月19日、東京の将棋会館で行われ、岩村四段の公式戦初対局として注目を集めた。
岩村四段の異例の経歴と才能
岩村凛太朗四段は2025年10月1日付でプロ棋士となった19歳の若手だ。奨励会時代から高い評価を受けていたが、実戦よりも先に詰将棋創作の分野で頭角を現した点が異例である。詰将棋の世界では最高の賞とされる看寿賞を3度も獲得しており、その才能は棋界で広く知られている。
詰将棋作家としても知られる先輩棋士の斎藤慎太郎八段は、「看寿賞を受賞した棋士は何人かいるが、奨励会時代に3度の受賞はすごい。岩村君の作品には実現不可能と言われていたアイデアが数多くある。大変な才能の持ち主だと思います」と語り、岩村四段の創造性を高く評価している。
中女流三段の実力と棋風
対戦相手の中七海女流三段も、福間香奈女流五冠や西山朋佳女流三冠に続く、女性としては史上3人目の奨励会三段経験者である。三段リーグを8期戦った後、2024年に女流棋士となり、1年足らずで女流王将戦の挑戦者になるなど、着実に実績を積んでいる。竜王戦の出場は今回が初めてだった。
中の師匠である井上慶太九段は、「中さんは小さい頃から将棋一筋で真面目。社交的ではないけど仲のいい人とはよくしゃべるし、芯はしっかりしている。棋風はどんな戦形でも指すバランス型で安定感がある」と、その人柄と棋風を説明した。また、「女流トップの2人とはまだ差があると思う。中さんもこれから強い人とたくさん指して伸びていってほしい」と期待を込めた。
対局の経過と岩村四段の戦術
対局は岩村四段の先手で相雁木(がんぎ)となり、序盤から中盤にかけて緊迫した展開が続いた。岩村四段は▲3八銀~▲4八金~▲5八玉の組み合わせで自陣を整え、▲6八角~▲2四歩で局面の打開を図った。これは練習将棋で発見した▲2二歩を意識した作戦で、中女流三段の△8六歩が問題となり、先手に有利な展開となった。
持ち時間は岩村四段が0時間16分、中女流三段が0時間36分で、岩村四段が時間を効率的に使いながら勝利を収めた。対局後、両者は一礼を交わし、互いの健闘を称え合った。
竜王戦6組の特徴と今後の展望
竜王戦6組は幅広い世代の棋士に加え、新四段、女流棋士、アマ強豪らが参加する多様性に富んだリーグである。他ではなかなか見られない組み合わせがあるのも特徴で、今回の岩村四段と中女流三段の対戦もその一例だ。
岩村四段の快勝は、藤井聡太竜王に続く次世代の台頭を示すものとして注目される。今後も若手棋士の活躍に期待がかかる中、竜王戦はさらなる盛り上がりを見せそうだ。



