第108回全国高校野球選手権大会第13日の18日、奈良県代表の天理は準々決勝で三重に7―0で快勝し、2017年以来の準決勝進出を決めた。好機のたび、天理の関村偉千陽選手は亡き祖母の言葉を思い出す。
「勝って兜の緒を締めよ」の言葉を胸に
関村選手は「勝って兜の緒を締めよ」とペンでつば裏に刻んだ帽子をかぶり、グラウンドに立った。この言葉は、奈良大会直前に83歳で亡くなった祖母・平井勝子さんが好きだった言葉だ。アルプス席で応援した母・孝美さん(50)は「衰弱して話せなくても『甲子園に行って偉千陽には絶対頑張ってほしいね』と問いかけるとうなずいていた。きっと喜んでいるはず」と話し、息子の活躍を見守った。
関村選手は幼い頃、勝子さんに週1回は遊んでもらったという「おばあちゃんっ子」。ボールが好きで、野球も勧められた。小学2年生の時、勝子さんはがんを患って東京の病院に入院。弱音を吐かずに過ごす勝子さんを尊敬し「自分も頑張ろう」と野球に打ち込んだ。
「天国から一番偉千陽のことを見ている」
長らく闘病生活が続いたが、今年6月26日、勝子さんの容体が急変し、亡くなったと知らされた。死に目に会えなかった悔しさで落ち込んだが、姉・陽万里さん(20)から「会えなかった分、天国からは一番偉千陽のことを見ている」と励まされ、気持ちを奮い立たせた。
勝子さんには生前、何度も「絶対甲子園行くから見といてや」と伝えていた。約束を果たした今、帽子の裏には、小さく「ばっちゃん見ててや!」の文字も添えた。「パワーをもらえる気がして」。チャンスが訪れるたびに勝子さんのことを考える。
強豪・三重に圧勝し頂点狙う
チームは勢いに乗り、強豪・履正社を下した三重に圧勝した。「結果を見たばあちゃんはきっと大声で伝えてくれているはず」。亡き祖母の言葉を胸に頂点を狙う。



