七夕の夜、広島東洋カープと東京ヤクルトスワローズの一戦は、カープが2-3とリードを許して九回裏に入った。一塁に辰見鴻之介選手(25歳)を置き、打席には4番・坂倉将吾選手(28歳)が立った。
マウンドにはヤクルトの守護神、ホセ・キハダ投手。辰見選手は走る構えを見せて投手にプレッシャーをかける。坂倉選手は7球粘り、8球目のスライダーを捉えた。打球は右翼席へ放物線を描き、逆転サヨナラ2点本塁打となった。球場は歓声に包まれ、カープの選手たちが笑顔で坂倉を迎えた。
坂倉選手は悠々とダイヤモンドを一周すると、右手でヘルメットを宙に投げ、歓喜の輪に飛び込んだ。
「七夕の奇跡」を想起させる一打
7月の逆転弾はファンだけでなく、広島そのものを勇気づける。2017年のこの日、神宮球場で同じヤクルトを相手に、九回表に現役だった新井貴浩監督が代打で逆転の3点本塁打を放つなど、5点差をひっくり返して勝利。「七夕の奇跡」として語り継がれている。
さらに、2018年7月20日には、西日本豪雨後で初の本拠地試合となった読売巨人戦で、1点勝ち越された直後の十回裏に、下水流昂選手(当時、現球団スカウト)が逆転サヨナラ本塁打を打ち、被災者を勇気づけた。
ペナントレース後半戦への弾み
坂倉選手の一打は、ペナントレース後半戦に向けて広島に力を与えるものとなった。広島総局のカメラマン渡辺恭晃が、その一瞬を切り取った。
広島総局のカメラマンが、懸命にプレーする広島東洋カープ選手の「一瞬」を切り取ります。(写真・文 渡辺恭晃)



