現役引退後は福岡ソフトバンクホークスの取締役などを経て、現在は桜美林大で教授を務める小林至さん(スポーツ組織論など)は、プロ野球のコーチの役割は変わってきたとみている。2005年から14年までホークスの取締役としてチーム編成に携わった経験から、指導者に求められる能力の変化を指摘する。
「秘伝を授ける」指導は時代遅れに
コーチを雇う側の立場から、コーチに求める役割は変わったのかという問いに対し、小林氏は「一昔前までのコーチの役割は、かつて一流選手だった自身の秘伝を授けることでした。『200勝した俺がこう投げてみろと言っているんだ』というように。しかし、今の選手はそれだけでは聞く耳をもってくれません」と語る。
その理由について、小林氏は「すべてがデータ化される時代になりました。元スター選手の感覚より、客観的な数値の方が説得力があります。データを分析するアナリストとともに、選手個々の特徴にあわせて、そのデータをかみ砕いて説明するといった力が求められます」と説明する。
選手個々に合わせたコーチングが必要
「もちろん選手時代の実績も影響がないわけではありません。ただ、それよりも選手個々の育成方針に沿って指導できるコーチングが必要とされます。余計なことはしなくていいんです。今の選手たちは頭がいい。なぜこの練習をするのか、一つひとつの練習に対して納得しないと動きません」と小林氏は話す。
ソフトバンクでは年に複数回、選手と面談を実施している。多くのチームのコーチは数年で入れ替わる中で、コーチによって指導方針が変わることはないのかという問いに対し、小林氏は「指導に一貫性を持たせるた…」と続ける。この記事は有料記事で、残り567文字は有料会員限定となっている。



