第108回全国高校野球選手権宮崎大会で、指名打者(DH)制が本格的に導入され、出場校の6割強が採用していることが読売新聞の調査で明らかになった。今春から全ての公式戦で選択可能となり、高校野球の新たな潮流として注目される。
DH制採用の実態と理由
日本高校野球連盟が昨年導入を決定し、今春の選抜高校野球大会で甲子園大会として初めて採用されたDH制。宮崎大会では出場全47校(うち2校は連合チーム)を対象にアンケートを実施し、回答した42校のうち28校が「試合などで採用している」と回答した。
採用理由(複数回答可)で最も多かったのは「打撃が得意な選手を生かすため」の18校。次いで「選手の出場機会を増やすため」「投手の健康管理のため」が続いた。18日の準決勝で指名打者として活躍した小林西の安次富常氏選手(2年)は「打撃は得意だったので、DHでチャンスをもらえてありがたい。DHの導入は本当に大きかった」と語った。
非採用校の事情
一方、「採用していない」と回答した14校のうち9校は「投手が打撃を得意としている」と理由を挙げた。また、「部員が少ないため、DH制を採用したくてもできない」(都城高専の笹谷浩一郎部長)など、人数面の制約を指摘する声もあった。
県高野連の餅原裕士理事長は「今年の夏は投手が足をつったなどの話が明らかに減っており、DHは投手の体力面でプラスになっている。十分にメリットがあったと思う」と評価した。
7イニング制には9割が反対
読売新聞は同時に、現在導入が議論されている7イニング制についても賛否を調査。回答した42校のうち約9割にあたる38校が「反対」と回答し、「賛成」は3校、「どちらでもない」が1校だった。
反対理由(複数回答可)では「試合が短くなることで、選手の出場機会が減るから」が最多の19校。「高校野球らしさや伝統が失われるから」(12校)、「暑さ対策など選手の健康管理はほかの手段でもまかなえるから」(8校)が続いた。佐土原の冨永圭太監督は「ベンチ登録選手を増やす、大会日程を変えるなど、視点を変えて検討できることがあると思う」と述べた。
賛成派の意見
賛成と答えた3校の理由は「選手の健康管理のため」が1校、「その他」が2校。高鍋農の戸高太尊監督は「7イニング制にすることで、うちのように人数が少ないチームが勝利できる可能性が上がると考えている」と期待を示した。
高校野球の新たなルール導入を巡り、現場では多様な意見があることが浮き彫りとなった。



