阪神は8月28~30日の巨人3連戦(甲子園)で3連勝し、1リーグ時代の1937年秋シーズン以来、89年ぶりに巨人戦7連勝を飾った。2位・巨人との直接対決での3連勝により、球団史上初のリーグ連覇に向けた優勝マジックは「21」に減った。
敵将も認めた両軍の差
巨人・橋上秀樹監督代行(60)は、阪神戦7連敗の後にこう語った。
「(阪神との差は)言ったらキリがないぐらい。正直言って、ここで語れるほど簡単なものではないと思います。やはり昨年も勝って、優勝しているチームですから。ある意味、この手本にしなきゃいけない部分もある。ウチにはまだ備わっていないところもいくつかあります。1カ所、2カ所じゃないのでね。ここでいろいろ話するのはちょっと時間がないと」
今季の巨人戦は16勝7敗の貯金9。チームは117試合を戦い、67勝49敗1分けで、貯金の半分を巨人から稼いでいる。8月11~13日の敵地・東京ドームでの3連戦では、森下翔太外野手(26)や佐藤輝明内野手(27)らの一発攻勢で3連勝。甲子園での戦いでは投手陣が隙のない投球を見せた。
直近6シーズン負け越しなし
阪神はここ数年、巨人を圧倒している。2021年に13勝9敗3分けで勝ち越すと、22年は14勝10敗1分け、23年は18勝6敗1分け。巨人が優勝した24年は12勝12敗1分けと五分だったが、昨季は17勝8敗で今季は16勝7敗。直近6シーズンは負け越しがない。岡田彰布前監督が率いてリーグ優勝した23年から今季までの4シーズンの勝敗は63勝33敗2分けだ。
しかし、歴史的に見れば阪神と巨人の差は大きい。1950年の2リーグ分立以降、リーグ優勝は巨人が39回、阪神は7回。日本一は巨人が22回で阪神は2回。今季までの77シーズンで、巨人が阪神に57回勝ち越しているのに対し、阪神の勝ち越しは14回にとどまる。
過去の隆盛期は短く、谷が長い
阪神はいい時代が来ても長続きしない。1985年はバース、掛布、岡田のダイナマイト打線で21年ぶりのリーグ優勝、初の日本一に輝いたが、翌86年に掛布が死球を受けて骨折し、その後は成績が低迷。88年にはバースが子供の病気で緊急帰国し、そのまま退団、掛布も引退した。
2003年は星野仙一監督が広島からフリーエージェント(FA)宣言した金本知憲を獲得するなど大補強を断行し、18年ぶりにリーグ優勝。05年には岡田彰布監督がJFK(ジェフ・ウイリアムス、藤川、久保田)の鉄壁リリーフ陣を築き、2年ぶりにリーグ制覇を果たしたが、金本が衰えると勝てなくなった。その後はマートンやブラゼル、呉昇桓ら外国人を補強し、大リーグ帰りの福留、西岡を獲得したが、リーグ優勝には手が届かなかった。
この40年ほどでチーム力が上がった時期は4度ほどあるが、過去の〝その後〟を見ると芳しくない。いい時に次への備えが足りていないからだ。
佐藤が今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することになれば、いきなり4番問題が浮上する。森下がいるから大丈夫と考えていると落とし穴が待っている。近い将来、佐藤に続いて森下も挑戦する日が来るかもしれない。今から備えておかなければ手遅れになりかねない。
阪神球団も備えを進めている。昨年10月のドラフト会議では1位で立石正広内野手(22)=創価大=を指名。2位で谷端将伍内野手(22)=日大、3位で岡城快生外野手(23)=筑波大=と大学生の野手3人を上位で獲得した。佐藤や森下の将来的な流出に備えたものだ。ただ、彼らの現状を見る限り、補強の手を緩めてはならない。
シーズンは残り26試合。その後にはクライマックスシリーズがあり、パ・リーグ覇者との日本シリーズも待っている。めっぽう強い今だからこそ、隆盛期をいかにして継続させるか考えるべきだ。



