第108回全国高校野球選手権大会第12日の16日、花巻東は3回戦で英明(香川)に4-0で快勝し、3年ぶりの8強進出を決めた。二、三回には内野ゴロの間に1点ずつを挙げ、その後も二つの犠飛で加点。赤間史弥、万谷堅心両投手がともに無失点の好投で、相手打線を寄せ付けなかった。準々決勝は第3試合で横浜(神奈川)と対戦する。
万谷投手、七回から登板し被安打1の好救援
「気持ちは熱く、頭は冷静に」。佐々木洋監督が、花巻東ナインに言い聞かせている言葉だ。その教えをマウンド上で体現する万谷投手が七回から登板し、被安打1と好投。先発した赤間投手との無失点リレーを完成させると、小さく拳を握った。
感情をあまり表に出さず、淡々と打者に立ち向かう万谷投手。しかし、甲子園の1回戦では「少し雰囲気にのまれてしまった」と、7回2失点の投球にも反省が口をついた。変化球の精度を向上させるため、練習日に一球一球丁寧に投げ込んで調整した。
チームメートの好投に刺激、テンポよい投球で凡打の山
チームメートの活躍にも、大いに刺激を受けた。登板機会のなかった2回戦は、先発した後輩の菅原駿投手や、2番手の赤間投手が好投。「試合の空気に左右されている場合じゃない」と気合を入れ直した。
この日は、テンポよくストライク先行で凡打の山を築き、山なりのスローボールを投じる余裕もあった。斎藤蒼梧捕手は「変化球もよく、厳しいコースに投げられていた」と絶賛した。
エース本来の投球で8強入り、次戦へ静かに闘志
エースが本来の投球を取り戻し、チームは3年ぶりの8強入り。ただ、万谷投手は「自分的には打たせて取れて良かったんじゃないかな」と、ひょうひょうと語った。浮足立つ様子はなく、静かに闘志を燃やす。(田山千紘)
古城大翔主将は「取るべき場面で得点を取り、投手陣も要所を締めてくれた。次戦も自分たちがやってきたことを生かしながら、受け身にならずに攻めの姿勢で頑張りたい」と話した。
先発の兄を支えるマネジャー・羽菜さん
花巻東のアルプス席では、先発して好投した赤間史弥投手(3年)の妹・羽菜さん(1年)がスクールカラーのすみれ色のメガホンを手に応援した。
幼い頃から赤間選手と一緒にキャッチボールをしていたという羽菜さん。中学生の頃、甲子園で活躍する兄の姿も見ていた。ただ、寮生活を送る兄は、年末年始以外ほとんど盛岡市内の実家に帰らない。羽菜さんは「近くで支えになりたい。一緒に甲子園に行きたい」と考え、マネジャーになると決意したという。
現在は、練習中に食べるおにぎりを用意するなど、兄だけでなくチーム全体をサポートしている。きょうだいでの甲子園出場を果たし、「とにかく楽しんで投げてほしい」とエールを送った。



