左脚の故障で戦列を離れている巨人の戸郷翔征(26)は、リハビリでも気を抜かない姿勢を見せている。故障班に合流して4日目の7月12日、ジャイアンツ球場の室内練習場では、椅子に座ったままでネットスローを約200球投げ、トレーナーを相手に軽めのキャッチボールもこなした。「肩、肘の出力や、指先の感覚は落としたくない」と、今できることに最大限取り組もうとする姿があった。
意識の高さゆえの失敗も
意識の高さゆえの失敗もあった。トレーニング再開当初、トレーナー室に午前11時半集合と聞いた戸郷は、その時間までに決められたメニューをすべて一人で済ませてしまい、付き添う予定だったスタッフに叱られたという。「『そんな選手は、後にも先にもいない』って。問題児でしょ。でも、やり方が分からない。けがしたことがないから」。自身にブレーキをかけざるを得ない現状には戸惑いもあるようだ。
阪神戦で負傷、初めての大きなけが
先発した7月7日の阪神戦で負傷した。内野ゴロを打って一塁を駆け抜ける際に、「(左脚の)筋肉が裏返るような感覚があった」。診断は左太もも裏の肉離れ。プレー中に大きなけがを負うのは、初めての経験だという。
昨季から続く不振を脱し、この日も五回まで無安打無失点と好投していた。調子を上げていた中でのアクシデントに落ち込んでいるかと思いきや、「(調子が)悪い時にこうなっていたら、どん底に落ちていたかもしれないけど、良くなった感覚はあるので(状態を)戻すのは簡単」と表情は明るい。
練習以外の時間も有効活用
練習以外の時間も有効に使っている。過去の自身の投球映像を入念に振り返り、一軍はもちろん、二、三軍の試合や練習の動画もチェック。米大リーグ中継を見る機会も増え、ブルージェイズの岡本和真(30)や、ドジャースの大谷翔平(32)らの活躍に「元気をもらえる」と言う。
自然体で前進するエース
練習やリハビリを終えた後、戸郷の左脚には氷袋が巻き付けられていた。見つめる記者の心配をよそに、「大丈夫。20分、冷やさないといかんから」。その待ち時間に自ら取材に応じ、一通り話し終えて時計を見ると、ちょうど20分が過ぎていた。「ね、ちょうどだったでしょう」。気遣いも欠かさないエースは、自然体で前へ進んでいく。



