「僕でいいんかな」DeNA戸柱恭孝 36歳ベテランがCS突破導く決勝打
「僕でいいんかな」DeNA戸柱がCS突破導く決勝打

「僕がヒーローでいいんかな」。横浜DeNAベイスターズをクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ突破に導いた36歳のベテラン、戸柱恭孝は敵地のお立ち台でとぼけたように繰り返した。

七回の適時打が決勝点に

七回2死三塁、巨人の左腕・森田駿哉が投じた高めに浮いたフォークをしぶとく三遊間にはじき返した。リードを2点に広げ、「大切な勝負どころで、最高の結果になった」。度会隆輝の先頭打者アーチなどで先行しながら追加点を奪えていなかったチームに、再び流れを引き寄せた。

好リードで投手陣を導く

「守りだけを考えていた」と、好リードも光った。直近の対戦データや相手打線の狙いも踏まえ、先発石田裕太郎にはシンカーを多投させた。一回1死一、三塁のピンチでは、4番大城卓三をこの勝負球で併殺に仕留めた。五回の盗塁阻止など、5投手をもり立て、巨人打線をソロ本塁打の1点に抑えた。

存在感示すベテランの味

成長著しい22歳の松尾汐恩と24歳の古市尊の先発マスクが増えるなか、今季のレギュラーシーズンは42試合の出場にとどまった。多くの時間をベンチで過ごす。それでも、若手へのフォローや真摯(しんし)な練習姿勢など、存在感は決して小さくない。打率2割1分6厘ながら、2度のサヨナラ打を放つ勝負強さもその一つ。捕手出身の相川監督も「経験豊富で頼りにしている」と語る。

リーグ3位から日本一に駆け上がった2024年のCSでは最優秀選手に輝いた。短期決戦で重要なことは「独特の雰囲気のなかでも、今までやってきたことを当たり前にやること」。高ぶりを抑え、甲子園に乗り込む。

相川監督は「シーズンと変わらず、全員が勝つための準備をして、実力を発揮してくれた」とたたえた。牧は八回に2試合連続のソロ本塁打。阪神との対戦に向け、「去年はストレートで負けてしまった。今年はそんな簡単にいかないぞというところを見せる」と語った。度会は前日の決勝アーチに続き、先頭打者本塁打を放ち、「(試合の)入りが大事になると思っていた。集中して入った結果」と振り返った。