DeNAの牧秀悟が、主砲としての存在感を一段と高めている。巨人と11日まで戦ったクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは、2試合連続の本塁打で2連勝に貢献した。15日からのファイナルステージ突破へ鍵を握る28歳は今季、自己最多となる30本塁打をマーク。4月下旬の右太もも裏肉離れで約1カ月の離脱を余儀なくされながらも大台に到達した背景には、挫折を糧にした打撃改造があった。
WBCが突きつけた課題
世界一の歓喜から3年。さらなる飛躍を誓った今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、牧にとって苦い大会となった。全5試合に出場するも打率1割5分4厘、0本塁打、1打点。日本は準々決勝でベネズエラに敗れ、史上最低の8強で姿を消した。
普段は切り替えの早い牧も、「こんなに引きずるのは初めてだった」と打ちのめされた。それでも、その悔しさは自分の課題と向き合うきっかけになった。周囲の人たちに誓ったのは、現状に甘んじない決意だった。
「自分がどれだけ下手くそか分かりました。もっと練習して、もっとうまくなります」
1年目から6年連続で2桁本塁打を記録し、シュアな打撃で着実に実績を残してきた。一方で、「器用に扱えちゃうのが良さではあったけど、それだけだと速い球の対応は難しい」と課題も感じていた。
打撃改造を後押しした「皮肉」な1カ月
WBC期間中に近藤健介(ソフトバンク)や鈴木誠也(カブス)らと打撃論を交わし、「今のままじゃだめ」とフォーム改造に踏み切った。皮肉にも、挑戦を後押ししたのは故障で戦列を離れた1カ月だった。
CSファーストステージで連発し、ファイナルステージへ向けて「いい準備を」と語る牧。打撃改造の成果を胸に、日本シリーズ進出を目指す。