愛知・名古屋アジア競技大会(読売新聞社協賛)は26日、マラソン男子で山下一貴(三菱重工)が2時間10分49秒で優勝し、日本勢2大会ぶりの金メダルを獲得した。女子は矢田みくに(エディオン)が2時間27分56秒で3位となり、日本勢2大会ぶりの表彰台に立った。
終盤の独走で栄冠
山下は31キロ過ぎの上り坂で集団を3人に絞ると、35キロ過ぎにインド選手を突き放して独走。ゴール前で脚をつる不安を抱えながらも、最後まで気を緩めなかった。「あそこ(ゴール前)でつるかもしれませんから」と、リードを築いても集中を切らさなかった。
マラソン代表デビューとなった3年前の世界選手権ブダペスト大会では、残り2キロで両脚がつって立ち止まり11位。今年2月の大阪マラソンでも脚をつって失速するなど、繰り返される症状に悩まされてきた。この日も「10キロ過ぎからずっと『つらないといいな』と思っていた」という。
対策が実り、笑顔のゴール
対策として、レース序盤から終始視線を下げ、過度に前傾しがちな骨盤を立てるようトレーナーの助言を忠実に守った。結果として脚への負担が減り、つる症状は「全く出なかった」。
ブダペスト大会後は右太もも裏の張りが約1年続いて低迷したが、万全となった今は「走るのが楽しい」と喜びをかみ締める。心身ともにトンネルを抜けた29歳が、ロサンゼルス五輪代表争いの有力候補に名乗りを上げた。
矢田は転倒乗り越え銅
女子マラソンの矢田は、22キロ付近で転倒するアクシデントがあったが、すぐさま起き上がって集団に追いつき、終盤に先頭を引っ張るなど積極性が光った。1月の大阪国際女子で、日本歴代6位となる2時間19分57秒をマーク。進化を続ける26歳は「悔いのないレースができた。五輪への第一歩として臨めた」と笑みを浮かべた。
その他の日本勢は、男子400メートルで中島佑気ジョセフ(富士通)が45秒22で3位、女子1500メートルで田中希実(豊田自動織機)が4分6秒14で3位だった。