女子サッカーの国内最高峰、WEリーグ(読売新聞社協賛)が8月22日に開幕した。創設から6シーズン目を迎えた今季、来年5月まで22節の長丁場を制するのはどのチームか。12チームによる戦いを展望する。
3強による争い、今季も続くか
昨季、リーグ優勝を飾ったのはINAC神戸。2021~22シーズン以来、4季ぶり2度目の栄冠をつかみ、3シーズン連続で2位に終わっていた悔しさを晴らした。就任1年目だった元日本代表の名ボランチ、宮本ともみ監督が率いるチームは、17勝2分け3敗、1度も連敗がなく、最終的には2位の三菱重工浦和に勝ち点9差。2試合を残して優勝を決めるという安定した戦いぶりだった。
3位に入ったのは、WEリーグ・クラシエカップを初制覇した日テレ・東京V。過去5シーズンのリーグ1~3位は、すべてこの3チームが占めている。優勝はINAC神戸と三菱重工浦和がそれぞれ2回、日テレ・東京Vが1回。今季も3強による争いが続くのか、他のチームが割って入るのかが、一つの大きな見どころだ。
海外移籍と新戦力の動向
ここ数年、WEリーグのチームからは米国のNWSLやイングランドのWSLをはじめとする海外のクラブへ移籍する選手が多く、今季も主力選手が旅立った。INAC神戸からは日本代表GK大熊茜がWSLのアストンビラへ、三菱重工浦和からは昨季15ゴールを挙げて得点王争いの2位に入ったFW島田芽依がドイツのブレーメンへ移籍。日テレ・東京VからはGK大場朱羽がスコットランドのレンジャーズへ、DF坂部幸菜がデンマークのHBキューゲへ進んだ。
一方、新潟にはスペインのグラナダで1シーズンを過ごした日本代表GK平尾知佳が復帰した。3強の新戦力を見ると、INAC神戸は大熊茜の後釜として、昨季は日テレ・東京Vから千葉に期限付き移籍していた元日本代表の田中桃子を獲得。三菱重工浦和には、昨季大宮に期限付き移籍していたGK福田史織が復帰した。
大きな話題となったのが、三菱重工浦和の顔ともいえる安藤梢の日テレ・東京Vへの移籍だ。2011年のワールドカップで世界一になったなでしこジャパンの一員で、44歳でFWからDFまでこなせるレジェンド。主にセンターバックとして出場した22~23シーズンには、リーグ初優勝に貢献し、40歳にしてリーグMVPに輝いた。その後、24年に左膝の前十字靱帯を損傷する大ケガを負ったが、開幕節の千葉戦でも後半終了間際に出場するなど、健在ぶりを示した。
追い上げる新勢力と混戦の予感
昨季4位で、皇后杯を制した広島は確実に力をつけている。昨季の広島はINAC神戸にWEリーグ・クラシエカップ、皇后杯決勝も含めて5回対戦して、全勝(1PK戦勝ち含む)。開幕節ではそのINACと対戦、逆転負けを喫したものの、日本代表MF中嶋淑乃を中心とした攻撃には迫力がある。
また、一昨シーズンの最下位から昨季は5位へと躍進したマイナビ仙台は、日本女子代表監督としてパリ五輪でも指揮を執った池田太氏を新たな指揮官に迎えた。開幕節を見る限り、6試合すべてが1点差以内。INAC神戸は広島に、日テレ・東京Vは千葉に、それぞれ2―1と逆転勝ちし、三菱重工浦和は大宮との「さいたまダービー」を1―0で制した。昨季以上の混戦リーグとなる予感が漂う幕開けとなった。
国際大会がもたらす影響
今季を見ていくうえで重要と思われるのが、9月に開幕する二つの国際大会だ。32年ぶりに日本で行われるアジア大会は、リーグの中断期間中に行われるが、国際マッチウィークでの開催ではないため、海外クラブ所属選手は呼ぶことが難しい。既に発表されているメンバー23人のうち、21人がWEリーグ勢だ。決勝まで進めば、6試合の真剣勝負が戦える。
もう一つ、9月5日にポーランドで開幕予定のU―20女子W杯に出場する日本代表にも、21人のうち、WEリーグ勢から13人が選ばれた。日本は過去3大会連続で決勝進出を果たしており、今回もアジア女王として出場する優勝候補の一角。こちらも勝ち進めば7試合を戦うことになる。両大会を経て、リーグが再開される10月中旬以降に、一皮むけた選手たちの姿が見られるかもしれない。



