スポーツクライミング安楽宙斗、発想力磨きアジア大会へ ボルダーで金狙う
安楽宙斗、発想力磨きアジア大会へ ボルダーで金狙う

パリ五輪複合銀メダリストの安楽宙斗(19、JSOL)が、アジア・アジアパラ大会のスポーツクライミング男子ボルダーに出場する。昨年9月の世界選手権で初優勝を遂げた後も、自身の伸びしろとして発想力と判断力の強化を最大のポイントに掲げてきた。

決勝への苦手意識と向き合う

予選と準決勝は選手が「初見」で課題に挑むのに対し、下見の時間が与えられる決勝は、ホールド間の距離が広がるなど競技性が変化する。時に思いきりの良さを含めた決断力が勝敗を分けるという。

体幹の強さなど基礎能力が高く、着実なルートを描いて登る傾向が強い分、「決勝に苦手意識があった」と明かす。とっぴな発想からビッグプレーを繰り出し、勢いづくライバルたちの姿に驚かされることもあった。そのため、「培ってきた思考の癖を一から直すというより、練習の中で徐々にイメージの幅を広げたいと思った」と振り返る。

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「能力の円」を広げる練習

ビジョンは明確だった。以前ならリスクに映った選択肢が、無難な一手に感じられるようになればいい。腕や足首まわりの筋力強化に励みながら戦法も増やす練習に、「自分の『能力の円』を少しずつ大きくしていく感覚」で臨んだ。

効果は狙い通りに表れた。大きなムーブに恐怖心がなくなり、下見段階で頭に描ける攻め手が増えた。ポイントを得るまでに要するトライ数が大きく減り、安定感が向上。今年のワールドシリーズ・ボルダーでは、5月の開幕から全5戦で優勝と圧倒的な成績を残し、10月の最終戦を前に4年連続の年間総合優勝を確定させた。

日本開催への意気込み

世界の頂点に立っても、アジア大会への意気込みは強い。2023年の中国・杭州大会では複合で金メダルを獲得。優勝は現実的なターゲットだが、日本開催は「重圧の面で過去のどの試合とも比較にならない」と油断はない。「心身のピークを合わせて勝ちきれれば、競技者として強くなれる」。思い描く栄光へのルートを、丁寧にたどっていく。

スポーツクライミングは29日~10月3日、名古屋市国際展示場で実施。登る速さを競う「スピード」、登ったコース数を競う「ボルダー」、制限時間内に登った高さを競う「リード」の3種目がある。前回は複合種目だったボルダーとリードが単一種目となり、安楽はボルダーに出場する。

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