高知の夏の味覚・メジカ(ソウダガツオ)の幼魚「新子」の水揚げが例年になく少なく、漁業者らをやきもきさせている。いつもなら盆を過ぎた頃から最盛期を迎えるが、今年は成魚は捕れるものの、目当ての新子が揚がらず、品薄の状態が続く。
水揚げ少なく品薄続く
中土佐町などで水揚げされるメジカの漁期は、7月中旬~9月末頃。中でも主に生後1年未満の新子は、刺し身のモチモチとした食感が人気だ。鮮度の低下が速く、地元や高知市内などの一部の飲食店でしか提供されないため、「幻の魚」とも言われ、県外から訪れる人も多い。
24日朝、須崎市の須崎魚市場の港に、早朝から沖に出ていた漁船が次々と戻ってきた。水揚げを終えたベテラン漁師が「新子はおるがやけど、食わん(釣れない)」と嘆く。クーラーボックスにはメジカが満タンだが、新子は数匹だけ。「プロでもこれだけよ」と同僚が口を挟む。漁師たちは「よう分からん」と口をそろえる。
競りで1匹700円の高値
その少なさもあって、先週末の競りでは1匹700円の高値が付いたほど。競りを担当する漁協関係者も「今年は遅れている。いつもならずらっと並ぶのにね」と首をかしげた。
中土佐町の久礼大正町市場ではこの時期、新子を含むメジカを提供する小屋が4軒営業する。だが、24日は3軒、25日は台風による高波の影響もあり4軒全ての入荷情報を知らせる電光掲示板が、「休み」と表示された。なかとさ観光協会もホームページで「新子が不漁で、多くのお客様への提供が難しい日が続いております」と告知している。
県外客も落胆、今後の見通しは
小屋前には旬の味を求め、県内外の客が朝早くから列を作り、25日も多くの人が入荷情報に見入った。大阪から来たという夫婦は新子の味にはまり、5年前から毎年訪れているが、「ここの新子は特別にうまくて楽しみにしていたのに。カツオを食べて帰ります」と残念がった。
同市場で鮮魚店を経営する大正町市場協同組合の田中隆博組合長は「通常はメジカの親が捕れ始めた後に新子が続く。親が捕れゆうき、新子だけ不漁になるとは考えられん。他の魚の新子は捕れだしており、漁期が遅れているのだろう。黒潮の大蛇行が終わって海水温が高くなり、海(の生態系)もどう変わるのか、予測できん」と話している。



