イングランドの選手たちは崩れ落ち、しばらく動けなかった。終盤の2失点で逆転負け。決勝への切符は残り時間わずかで霧散した。
先制ゴールも守備的戦術が裏目に
55分に先制したイングランドが選んだのは、1点を守り切る道。自陣に引き、アルゼンチンの猛攻を真正面から受けて立つ構えが強まった。選手はガツガツ寄せて足を出し、GKピックフォードも好セーブで立ちはだかる。72分にはDFコンサを投入し、最終ラインには常時5人が並んだ。
「1点リードを守り抜こうとするのは、ごく自然な心境だ。(耐えるのが)長い時間になるのはわかっていた」とケーン。だが、結果論とはいえ、守りに入るのが少し早かったか。前回王者の猛攻の前に、85分にゴールを割られた。気落ちする間もなく、後半追加タイムに再び失点。今大会、イングランドの粘り強さの象徴でもあった終盤の5バックは打ち砕かれた。
タレント集団もW杯の壁に跳ね返される
世界屈指の点取り屋・ケーンや23歳のベリンガムらタレント集団を知将トゥヘル監督が束ね、地元開催以来、60年ぶりの頂点を目指していた。優勝候補、そしてサッカーの母国に恥じない戦いぶりで勝ち進んできただけに、「あと1勝、2勝をもたらすことができればよかった」とベリンガム。W杯の重さと難しさが身に染みた。
ゴードン鮮やか先制もヒーローならず
イングランドの左ウィング、ゴードンが先制ゴール。55分、味方が右から攻め込むと、相手の背後からペナルティーエリアに走り込んでスッと前に出て、クロスをダイレクトで押し込んだ。今大会開幕前にスペインの名門バルセロナ入りが決まった25歳。自身の交代後にチームが逆転されたため、ヒーローになり損ねたが、大舞台で才能の片りんを示す鮮やかな一撃だった。
トゥヘル監督「非常に拮抗した大接戦だった」
イングランド・トゥヘル監督は「非常に拮抗(きっこう)した大接戦だった。不運なことに、そして奇妙なことに、先制ゴールを境に、試合の流れが相手へ傾いてしまった」と振り返った。



