英国出身17歳ニコラス・タラセンコさん、しこ名「栄誠」で名古屋場所初土俵 夢は横綱
英国出身17歳が名古屋場所で初土俵 夢は横綱

2026年7月12日に初日を迎える大相撲名古屋場所で、英国出身の17歳、ニコラス・タラセンコさんが初土俵を踏む。しこ名は「栄誠(えいせい)」。湊部屋(埼玉県川口市)所属で、身長1メートル87、体重125キロの恵まれた体格を持つ。英国出身力士としては、元序二段の英ノ国以来36年ぶりの誕生となる。

相撲との出会いと直談判

タラセンコさんはイングランド北東部のハル市出身。好角家の父の影響で幼い頃からテレビで相撲を見て育ち、多彩な決まり手に魅了されて力士を志した。2024年5月に初来日し、両国国技館で本場所を観戦後、父の知人の紹介で湊部屋の千秋楽パーティーに参加。その場で湊親方(元幕内湊富士、58)に「力士になりたい」と直談判した。

日本相撲協会には「外国出身力士は各部屋1人まで」というルールがあるが、湊親方は夏休みの稽古体験でのタラセンコさんの懸命な姿勢を評価。翌年6月に研修生として受け入れ、外国出身者としては珍しい「中学卒業のたたき上げ」として育成することにした。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

日本語面接を突破、新弟子検査合格

力士になるための最初の関門は、協会による日本語での面接。タラセンコさんは単語カードなどで猛勉強し、今年4月、2回目の挑戦で見事に突破。翌月には体格や運動能力などの適性を確認する新弟子検査に合格した。おかみさんの三浦真さん(55)は「おしゃべり好きもあって、徐々に話せるようになった」と振り返る。

異国の地で慣れない集団生活を始めて1年余り。タラセンコさんは「相撲がとれて楽しい」と語り、電車も一人で乗りこなす。初土俵は番付外の力士が取る前相撲で、「突き押しで相手にまわしを取らせない、自分の相撲をとりたい」と意気込む。

外国出身力士の現状

日本相撲協会によると、協会所属の力士588人(番付外を除く)のうち、外国出身力士は7か国28人。名古屋場所では幕内力士42人中11人を占める。外国出身力士の歴史は、1934年に初土俵を踏んだ米ロサンゼルス出身の日系2世、平賀(最高位序二段)が最初とされる。戦後、1972年名古屋場所で米ハワイ出身の高見山が初めて幕内優勝し、その後も小錦や曙らハワイ勢が一時代を築いた。2000年代以降は朝青龍、白鵬らモンゴル勢が隆盛を極め、ブルガリア出身の琴欧洲ら欧州圏出身者も台頭。現在もモンゴル出身の横綱・豊昇龍やウクライナ出身の安青錦らが土俵を沸かせている。

協会は2002年から外国出身者の入門を原則「1部屋1人」とし、2010年からは日本国籍取得者も外国人力士枠に含めるよう厳格化している。協会広報部は「相撲部屋での共同生活の中で、日本の文化、伝統をしっかりと教えるため」と説明する。

タラセンコさんは「将来は横綱になり、母国にもっと相撲を知ってもらいたい」と高みを目指している。湊親方も「技術的にはまだまだだが、体力もやる気もある。必ず強くなる」と期待を寄せる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ