愛知・名古屋アジアパラ大会が18日に開幕する。45カ国・地域から参加する選手が18競技に挑む。先に閉幕したアジア大会では、日本選手団が金83個を含む269のメダルを獲得して喝采を浴びた。パラ大会でも車いすテニスの小田凱人、上地結衣という男女のゴールデンスラマーや、パリパラリンピックの競泳金メダリスト、木村敬一、鈴木孝幸、肉弾戦の迫力でパリ金の車いすラグビー日本代表など楽しみな競技がめじろ押しだ。
パリ大会が示した感動の舞台
近年のパラ大会は五輪に劣らぬ、あるいは上回る興奮や感動で観衆の心をわしづかみにする。2年前のパリ大会開会式で大会組織委員会のエスタンゲ会長は「大会で私たちが目にするのは一流のアスリートであり、閉会式の翌朝、私たちは違う自分になって目覚める」と語り、閉会式では「人生を変える特別な出会いの物語だった」と総括した。拍手は鳴りやまず、スピーチの再開はなかなか許されなかった。同じドラマを今大会でもみたい。
前回大会の運営課題を克服できるか
一方で先のアジア大会では、運営面での不備、混乱が目立った。国旗・国歌の取り扱い、宿泊先の不足、食事への不満、輸送トラブルなどが頻発した。日本オリンピック委員会(JOC)の橋本聖子会長は「非常に残念なところがあった。今回の課題を次にどう生かしていくかが重要だ」と述べた。「次」はすぐに始まる。それが同じ愛知・名古屋で開催するアジアパラ大会である。
2大会連続で参加選手の不興を招くことは許されない。その評価は、将来の五輪や国際競技大会の招致にも影響する。不備の背景には、過去の多くの大会で運営を丸投げしてきた大手広告代理店、電通が先の東京五輪での独禁法違反事件を受けて参加できず、今大会の運営を請け負ったフランスのイベント会社との意思の疎通が万全ではなかったことがある。運営の不備は、通常の競技大会以上にパラ選手の実戦に影響を与える。
同じ轍(てつ)を踏まない準備を、この短い期間にどれだけ整えることができたか。アジアや国際スポーツ界の厳しい目がパラ大会に向けられていることを忘れてはならない。パラ選手の大会に臨む意欲や覚悟を運営の不備が阻害する事態は、何としても避けたい。