サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3か国大会は15日(日本時間16日)、準決勝の残り1試合が行われ、世界ランキング1位のアルゼンチンが同4位のイングランドに2-1で逆転勝利を収め、2大会連続の決勝進出を決めた。19日(日本時間20日)の決勝では、アルゼンチンは連覇をかけてスペイン(同2位)と対戦する。18日(日本時間19日)の3位決定戦はフランス(同3位)対イングランドに決まった(世界ランキングは6月11日時点)。
メッシの魔法のアシストが逆転劇を演出
アルゼンチンは1点を追う85分、フェルナンデスのゴールで同点とすると、後半追加タイムにLa・マルティネスがヘディングシュートを決めて勝ち越した。イングランドは55分にゴードンが先制点を挙げたが、その後は押し込まれ、守備陣が耐えきれなかった。
ボールも人も、「神の子」の引力にはあらがえないのか。アルゼンチンのメッシが劣勢をはね返す2アシスト。2度の延長戦などタフな試合が続き「本当に疲れ果てている」という満身創痍の体でも、輝きはまばゆさを増している。
85分に追いつき、攻勢ムードが続いていた追加タイム。マカジステルのミドルシュートはポストにはじかれたが、ボールは行き先にメッシを選んだ。右サイドをドリブルで進み、利き足ではない右足で上げたクロスは、イングランドの長身DF陣を紙一重で越えた。La・マルティネスが頭で沈めると、アルゼンチン国民が大挙したスタジアムはビールが飛び交った。
同点の場面は相手選手が吸い寄せられた。敵陣右深くでボールを持つと、精度の高いクロスでゴールを脅かされ続けていた相手は、2人でコースを切らざるを得ない。エースのパスからミドルシュートを決めたフェルナンデスは、ぽっかりとフリーになっていた。
因縁の対決に新たな歴史
英領フォークランド諸島の領有権を巡って両国に起きた紛争から4年後に対戦した1986年大会。マラドーナが「神の手」「5人抜き」でアルゼンチンを勝利に導き伝説となったが、その時のユニホームは伝統の「アルビセレステ(空色と白)」ではなく、この日と同じ紺が基調だった。
神の系譜をまとったメッシが因縁の対決に新たなページを刻み、連覇への最後の障壁は、自身が幼少期から育ったスペイン。「あと一歩、あと一試合。100%を出し切るために、全力を尽くす」と語った。
スカロニ監督とシメオネの息子の活躍
アルゼンチンのスカロニ監督は「(決勝ゴールのLa・マルティネスら)途中出場の選手たちが重要な役割を果たしてくれた。チームが最後まで諦めずに戦う姿勢を見せてくれたから、もし負けたとしても私は満足していたと思う」とコメントした。
1998年の両国の対戦でイングランドのベッカムと激しくやり合ったアルゼンチンのシメオネの息子、ジュリアノが大一番で先発起用された。ポストプレーで好機を演出したり、得意の縦への突破を図ったりと、72分に交代するまでピッチを精力的に駆け回った。「スタジアムや母国から送ってくれる全ての応援に感謝したい。これからも信じて、楽しんでほしい」。父と同じアルゼンチンのユニホームを着てW杯のピッチに立つ喜びに浸っていた。
政治的横断幕と試合詳細
試合後、アルゼンチン選手が「マルビナス(フォークランド諸島)はアルゼンチンのもの」と書かれた横断幕を掲げたと、ロイター通信が報じた。国際サッカー連盟(FIFA)は政治的な横断幕などをスタジアムに持ち込むことを禁止している。
【交代】(イ)コンサ=72分ゴードン、バーン=82分ジェームズ、オライリー=82分ライス、トニー=96分+ストーンズ、ラッシュフォード=96分+スペンス(ア)ゴンサレス=64分パレデス、オタメンディ=72分Li・マルティネス、デパウル=72分シメオネ、モンティエル=72分モリナ、La・マルティネス=81分タリアフィコ 【警告】(イ)アンダーソン(ア)Li・マルティネス、ロメロ、デパウル



