青森国スポ綱引き、地域の絆を力に県内3チームが合同練習
青森国スポ綱引き、地域の絆を力に3チーム合同練習

「青の煌(きら)めきあおもり国スポ」では、公開競技として綱引きが行われる。競技人口が少ないユニークな競技で、「スーパースターがいない競技」とも呼ばれる。単純な力比べではなく、全員の一糸乱れぬチームワークや駆け引きが勝負の鍵となる。

7日夜、むつ市大畑町の旧正津川小学校の体育館に、男たちの野太い声が響いた。成年男子に出場する「まさかりCLUB」、男女混合の「正津川カンドリ」、少年男子の「ダイナマイト正津川」(いずれもむつ市)の選手ら約20人が合同練習を行った。

綱引きの歴史とルール

運動会のイメージが強い綱引きだが、五輪では1920年までの5大会で実施された由緒正しい競技だ。1本の綱を8人ずつのチームで引き合い、相手を4メートル自陣に引き込めば勝ち。明快なルールに技術や心理戦が絡む。県綱引連盟会長の山端一雄さん(71)は「綱一本でできる、一番燃える競技だ」と語る。

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選手たちは綱を手に腰を落とし、体を斜め後ろにそらして必死に踏ん張った。相手チームの出方をうかがい、機を逃さずかけ声で一斉に綱を引く。シューズが床にこすれる音と綱がギシギシときしむ音が鳴り、室内は夏の暑さだけではない熱気に包まれた。

競技人口減少と国スポの好機

少子高齢化の影響で、県内では競技人口の減少が続く。かつて同連盟には約40チームが登録していたが、現在はむつ市の3チームのみ。選手も審判も足りず、県内で公式戦が開かれるのはまれだ。年1回、主に関東で開かれる全国大会も遠征費が高く参加できない。

それだけに、今回の国スポは県内選手にとって千載一遇の好機だ。初めて成年男子に出場する川下明生さん(66)は、競技歴約40年。「全国のトップチームと対戦するのが楽しみ」と心を躍らせる。

地域の絆が原動力

正津川の名を冠する2チームは、旧正津川小の児童や卒業生、保護者を中心に結成された。同小が2025年3月に廃校になった後も、綱引きを通じた交流が続いている。

男女混合に出る小学校教諭の宮川章さん(55)は、同小で教えていた約10年前に競技を始めた。現在は東通村で勤務するが、今も同小の関係者と廃校の体育館を掃除し、酒を酌み交わす。「地域の人とのつながりが、綱引きの一番の原動力」という。

同小2年で宮川さんに誘われ競技を始めた高校3年の根戸内豪さん(17)は「チームの強みは仲の良さ。一心同体で1位を狙う」と意気込む。来年から県外の大学へ進学を考えているが「地元が大好きだからこれからも綱引きは続けたい」という。

宮川さんは「国スポが子どもたちの思い出になってほしい。地元を離れても、たまには綱引きに戻って来て」と笑う。一本の綱がつなぐ地域の絆を胸に、選手たちは大会に臨む。

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