ル・マン24時間レースで4年ぶりに総合優勝を果たしたトヨタ。その陰で、トヨタとGR(ガズーレーシング)は「24時間」への挑戦を続けている。本記事では、富士24時間レースやニュルブルクリンク24時間レースへの取り組みを通じて、GRの意図と、GR GTを開発する意味を探る。
富士24時間レースの意義
近年、モータースポーツに対応したシミュレーション技術は飛躍的に発展している。それでもなお、富士24時間レースでは予期せぬトラブルが発生する。GRの高橋氏は「予期していなかったことしか起こらない」と語り、「クルマと一緒で、人間の耐久の場でもある」と24時間戦う意義を強調する。
ニュルブルクリンク24時間との違い
高橋氏は、ニュルブルクリンク24時間について「クルマにとって過酷な走行環境」であると前置きし、日本とのギャップは「現場の空気感」にあると指摘する。ニュルでは、多くのファンが家族で訪れ、バーベキューを楽しみながらレースをバックグラウンドミュージックとして過ごす。一方、日本では「サーキット=レースを観る場」という意識が強く、富士24時間レースでもその傾向は残るが、他のレースよりは薄い。高橋氏は「日本ではモータースポーツが文化になっているとは、まだまだ言えない」とし、富士24時間がニュルブルクリンクのように文化として根付くことを願っている。
スーパー耐久参戦の2つの意義
GRのスーパー耐久シリーズへの参戦には、二つの意義がある。第一に、水素エンジン車やカーボンニュートラル燃料の開発・実証。第二に、若手ドライバーの育成と、モータースポーツを通じた技術者の育成だ。これらの取り組みは、GR GTの開発にもつながっている。
GR GTが目指すもの
GR GTは、単なる高性能車ではなく、モータースポーツで培った技術を市販車にフィードバックする象徴的なモデルとなる。24時間耐久レースで得られた知見は、車両の信頼性や耐久性の向上に直結する。トヨタとGRは、レースを通じて「もっといいクルマ」を作り続ける。



