トランプ米大統領がAppleとIntelの提携を発表
ドナルド・トランプ米大統領は6月18日(現地時間)、自身のSNS「Truth Social」に投稿し、AppleがIntelと協力して米国内でチップを設計・製造することに合意したと述べた。ただし、AppleとIntelはこの内容を公式には認めていない。
トランプ氏は投稿で、世界が依存するテクノロジーは米国で発明されたものだとし、過去の政権が経済を軽視し、台湾などに半導体工場を奪われるのを許したと批判。米国に半導体産業を取り戻す必要があるとして、「米国でチップを設計・製造する必要があるため、Intelを支援することにした」と語った。
NVIDIAやイーロン・マスク氏の計画にも言及
その上で、NVIDIAが第一段階のチップをIntelで製造することに合意し、イーロン・マスク氏が世界最大とするチップ工場「Terafab」をIntelの技術チームと共同で設計・建設すること、AppleがIntelと協力して米国でチップを設計・製造することに合意したと記している。
AppleとIntelの提携交渉自体は、以前から報じられている。米Wall Street Journal(WSJ)は5月8日、両社はIntelがApple製品向けチップの一部を製造する予備的合意に達したと報じた。
NVIDIAは昨年9月、50億ドル相当のIntel株式を取得することで合意したと発表している。この発表段階で、データセンター向けにIntelがNVIDIAカスタムのx86 CPUを製造し、NVIDIAのAIインフラプラットフォームに統合するとしていた。
トランプ政権のIntel支援
トランプ政権はこれまでもIntelを支援してきた。昨年8月にIntel株へ89億ドルを投資し、研究・製造拠点の米国内拡大と、安全保障目的での国産最先端チップ供給網の確保を図って、同社の約10%の株式を取得した。トランプ氏は今回の投稿でこの出資にも触れ、出資時点で約1000億ドルだったIntelの価値が現在6000億ドル超に増え、9カ月で5000億ドル以上拡大し、米国の保有分は600億ドル超になったと主張。出資比率が「多すぎたか、少なすぎたか」と問いかけた。
トランプ氏の投稿全文は以下の通り。
「世界を動かすテクノロジーはすべて米国で発明された。しかし過去の政権は経済を軽視し、台湾などに半導体工場を奪われた。米国に半導体産業を取り戻す必要がある。そこで、米国でチップを設計・製造する必要があるため、Intelを支援することにした。NVIDIAは第一段階のチップをIntelで製造することに合意した。イーロン・マスク氏は世界最大のチップ工場TerafabをIntelの技術チームと共同で設計・建設する。AppleはIntelと協力して米国でチップを設計・製造することに合意した。これにより、米国は再び半導体のリーダーとなる。」
背景と業界の反応
トランプ氏の投稿は、Appleのティム・クックCEOがWSJのインタビューで製品の値上げに言及した直後になされた。クック氏はインタビューで、AIによるデータセンター需要の急増でメモリーやストレージ向けチップのコストが上昇しているため、製品を値上げする計画だと語り、「価格上昇は避けられない」と述べた。Appleは長年、プロセッサーの製造を台湾TSMCに大きく依存しており、Intelとの提携が実現すれば供給網の分散につながる。
一方、Intelはイーロン・マスク氏が主導する次世代半導体工場「Terafab」プロジェクトへの参加を発表している。TeslaやSpaceX、xAI向けのAIやロボティクス用チップの内製化を目指す本構想に対し、Intelは設計や製造技術を提供し、大量生産を支援する。
また、Appleは3月3日、「MacBook Pro」に新チップ「M5 Pro」「M5 Max」を追加した。「AI向けにゼロから設計した」としており、前世代の「M4 Pro」「M4 Max」と比べてAIパフォーマンスを大幅に向上させたという。4日から予約受付を開始し、11日に販売を開始する。また、M5チップモデルは標準ストレージを1TBに増量。3万円高い27万8800円スタートとなる。
NVIDIAはIntel株式50億ドルを取得することで合意し、筆頭株主となる。IntelはNVIDIA向けにカスタムx86 CPUやGPU統合SoCを製造し、両社のAIとCPU技術を連携する。次世代コンピューティングの基盤構造を目指す。
トランプ米大統領は自身のSNSでAppleに対し、iPhoneの生産拠点を米国に移さない限り、25%以上の関税を課すと警告した。Appleは過去に米国投資や政策賛金を行っているが、トランプ氏は前政権時も同様の警告を発している。



