藤井聡太棋聖が棋聖戦3連勝で7連覇達成、服部七段に87手で快勝
藤井聡太棋聖が棋聖戦3連勝で7連覇達成

藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将との八冠保持者)に服部慎一郎七段が挑戦するヒューリック杯第97期棋聖戦五番勝負(主催:産経新聞社、日本将棋連盟)は、藤井棋聖が連勝で迎えた第3局が7月1日(水)に静岡県沼津市の「沼津御用邸東附属邸第1学問所」で行われた。対局の結果、角換わり腰掛け銀対右玉の中盤で抜け出した藤井棋聖が87手で勝利。競り合いに持ち込ませない快勝で3連勝とし、7連覇の偉業を達成した。

右玉をめぐる攻防

第1局では角換わり調の力戦、第2局では相掛かり空中戦と相手の得意戦型を受けて立ってきた藤井棋聖。先手番で迎えた本局は王道の角換わり腰掛け銀で挑戦者の作戦提示を待った。対して後手の服部七段が披露したのは右玉の待機策。近年は体系化が進められているとはいえまだまだ定跡が未整備で、この日も開戦をめぐる細かい駆け引きが続いた。

藤井棋聖の自陣角から局面がほぐれ始める。後手が4筋に飛車を回したのは飛車のさばきを見せて先手の右銀を牽制する意味だが、この飛車を無視するように堂々と銀を動かしたのが藤井棋聖の読みの入った応手だった。気合いの飛車走りで応じた服部七段だが、以降一度も反撃のチャンスが回ってこなかったことを思うと気合いが空回りした格好となった。

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充実の3連勝で7連覇

藤井棋聖の攻勢が止まらない。銀取りを放置して垂れ歩で応じたのが中盤の好手で、手順に中央に回っていた飛車との協力で手厚い攻めが実現。「堅い、攻めている、切れない」の三拍子そろった理想の展開となり、完全に食いつかれた服部七段としては攻防ともに望みの薄い辛抱の時間となった。終盤の入り口に最後の決め手が飛び出す。

さばきづらい飛車は見捨てて金をグイっと敵玉に近づけたのが「終盤は駒の損得より速度」の格言通りの決め手となった。終局時刻は17時11分、最後は自玉の寄りを認めた服部七段が投了。勝負所すら作らせない快勝譜に観戦したファンも「強すぎる」「異次元の大局観」と舌を巻いた。3勝0敗とした藤井棋聖は棋聖7連覇を達成している。敗れた服部七段は「結果は残念だったが充実していた」と初参加となったタイトル戦を振り返った。

水留啓(将棋情報局) 藤井棋聖は局後の会見で「自分なりに積極的に戦うことができた」と前向きにシリーズを総括した(写真:日本将棋連盟)

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