デアリングタクトで史上初の牝馬三冠「大きな節目だった」JRA調教師・杉山晴紀さん
デアリングタクトで史上初の牝馬三冠「大きな節目だった」

日本中央競馬会(JRA)リーディングトレーナーに2度輝いた杉山晴紀調教師(44)が、史上初の無敗牝馬三冠を達成したデアリングタクトとの出会いを「大きな節目だった」と振り返った。2020年の秋華賞で達成された快挙が、厩舎を勢いづけた。

史上初の無敗牝馬三冠、その瞬間

2020年10月18日、京都競馬場。秋華賞(芝2000メートル)でデアリングタクトは最後の直線を力強く駆け抜け、内から抜け出したマジックキャッスルや外から襲ったソフトフルートを寄せ付けず、先頭でゴールイン。JRA史上初となる無敗での牝馬三冠が達成された。

杉山さんは当時の心境を「喜びよりも、圧倒的な人気に応えられた安堵感の方が勝りましたね」と振り返る。デアリングタクトは2歳11月にデビューし、新馬戦とエルフィンSを快勝。2戦2勝でクラシック戦線に臨み、桜花賞、オークスを制した。

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運命の出会いと厩舎への影響

デアリングタクトとの出会いは2018年秋。父エピファネイアの初年度産駒だったことから「未知の部分があったから」と選んだという。杉山さんは「この世界は代謝が早く、成功するか失敗するかは5年でめどが立つ。あの時、ちょうど開業3年目でした。今こうして厩舎があるのも、全てデアリングタクトのおかげですね」と語る。

快挙は馬主たちからの信頼を深め、杉山厩舎は2023年に55勝で初の全国リーディングを獲得。2025年には自己最多の61勝で2度目の最多勝利調教師を受賞した。

調教の秘訣と馬への向き合い方

杉山さんの調教は「プラスの調教ではなく、マイナスの調教」だという。「走るのは馬なんです。馬にはそれぞれ持って生まれた素質がある。それをより高めるのではなく、素質を潰さないという考え方です」と説明する。

馬の体調管理では飼い葉にも工夫を凝らし、厩務員が担当制で馬を管理。サプリメントも活用し、馬の好みに合わせて飼い葉を与えているという。

杉山さんは今秋、デアリングタクトで達成した牝馬三冠に続き、ロブチェンで牡馬クラシック三冠の偉業に挑む。皐月賞と日本ダービーを制した2冠馬が菊花賞を勝てば、JRA史上初の牡馬と牝馬の両方での三冠達成となる。

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