第108回全国高校野球選手権大会第14日の20日、天理は準決勝で健大高崎(群馬)に0―1で惜敗し、1990年の優勝以来となる決勝進出はならなかった。1点を追う九回、中西琉威選手の中前打と永井仁之丞選手の内野安打、四球で二死満塁の好機をつくったが、あと一本が出なかった。先発した長尾亮大投手が136球で1失点完投し、最後まで全力プレーを見せた選手たちに拍手が送られた。
田畑選手の「つなぐ打撃」
「わっしょい!」、一塁側アルプス席からの大声援が甲子園を包む。追う差は1点。九回一死二塁で2番の田畑龍二選手が右打席に向かう。「絶対、後ろにつなぐ」。4番には、これまで2本塁打を放っている金本相有主将がいる。6球目の外角の直球を捉えた打球が右方向へ飛んだ。「落ちた」と思ったが、右翼手の好守に阻まれた。
春夏通算3度の優勝を誇る天理、選手は68人。「長打力も守備力も自分は目立つ存在じゃない」という。チームで生き残るために、「つなぐ打撃」を意識した。引っ張るよりも右方向の打球を意識して外角の球を狙って打ち、相手投手が後続打者には内角へ投げるように誘うという。
守備での役割と甲子園での成長
二塁手として、遊撃手の金本主将から守備位置を指摘されることが多く、全体練習でミスをした後もノックを受け続けた。背番号は「4」。初めての甲子園は準々決勝まで3試合で13打数3安打、犠打を二つ決めた。優勝まであと2勝。この日は七回に先頭打者で右前へ安打を放ち、守備も相手打者が足が速いと、定位置より前で守り、ゴロをさばいた。
入部した時、「レギュラーなんておこがましい」と思っていた。今は、試合を重ねるたびに「まだここで野球がしたい」と思えた甲子園。自分なりに攻守に役割を果たし、試合後、田畑選手は「天理の二塁手として恥じない活躍ができた」と振り返った。
金本主将の悔しさ
金本相有主将は「チャンスに打てず、決勝に進めなかったのは本当に悔しい。どうすれば強くなるか、何度も話し合い成長してきたからこそ、ここまで来られた」と語った。



